オンライン講座を作るときのワーク、演習、テスト実施の原則と4つのテクニック

新型コロナウイルスの影響もあり、社内の研修をオンラインに変更していこうという会社も多いと思います。

研修ベンダーは当社も含めてオンライン講座作成をしております。

ベンダーの研修では、一般的な知識や基礎知識を伝えることが可能です。しかし、自社のノウハウやマインドセットをしっかりと伝えることはできません。

そこで今回はオンライン講座を作成する際の、適切なワーク・演習・テスト実施の方法について紹介します。


オンライン講座でワーク・演習・テスト実施は可能?

オンライン講座でのワーク・演習・テスト実施は可能です。
また、一定の効果を出すことができます。

この回答に対して「本当?」と思う方もいるでしょう。

オンライン講座の場合、パソコンの向こう側で相手が何をしているか分からない、ということからオンライン講座でのワーク、演習、テスト実施について、不安を感じる方も多いと思います。

何しろ、リモートワーク、テレワークの様子を監視するツールもあるくらい、社員がちゃんと仕事をするのか疑っている方もいるくらいです。

しかし、オンライン講座でも、テストや演習をさせることが可能です。

ただしそれには企画側が一定の意図と、仕掛けをする必要があります。ぜひ、企画の考え方と具体的な方法を学び、よいオンライン講座を創ってください。


オンライン講座でのワーク、テスト、演習の考え方

ワーク、テスト、演習の目的を決める

目的、ワーク、テスト、演習は何のために行うかということを明確にしましょう。

知識の確認をしたいのか、「考えること」をさせたいのか、スキルやテクニックを身に着けさせたいのか、「経験」を積ませたいのか、等々の目的があるはずです。

この目的を明確にしなければ、オンライン講座そのものが成り立ちません。そして、その目的に合致した方法を考えましょう。

学ばせたいことに必要な要素を明確にする

学ぶ目的次第で提供コンテンツは変わります。

例えば、新卒研修において「自社商品を理解させる」ための研修を行うとします。

その商品を「知る」ために必要な要素、「覚える」ために必要な要素、「顧客からの質問に回答できるレベルまで理解する」ための必要な要素はそれぞれ違います。

商品パンフレットを説明するだけのオンライン講座を作っても、「顧客からの質問に回答できるレベルまで理解する」ことは不可能ですよね。

このレベルを目指すのであれば、熟練社員から「こんなことを聞かれたら、こう答える」というリストをもらい、商品の不都合な部分や組織的な課題にまで踏み込むことが必要かもしれません。

ちなみに、従来の研修でも「知る」に該当する情報提供をひたすら行うだけなのにも関わらず、いきなり現場に放りこまれ「研修で習ったよね」というケースがたくさんあります。

オンライン講座をつくる際に、これまでの研修を「ただ録画するだけ」の場合は、同じような失敗が起こります。

目的に応じて、しっかりと提供コンテンツを決めましょう。

学ばせたいことに必要な期間を明確にする

多くのオンライン講座で考えられていないことが、この「必要な期間」です。

一つ前に加えて、何かを学ぶ場合には、当然ですが時間が掛かります。その時間を確保しないまま、ワーク時間を設定して実施させるようなオンライン講座が散見されます

この時間が確保されていないと、ただ「見た」だけのオンライン講座になってしまいます。

例えば、新卒研修において「自社商品を理解させる」ための研修を行うとします。

その商品を「知る」ために必要な時間、「覚える」ために必要な時間、「顧客からの質問に回答できるレベルまで理解する」ための必要な時間はそれぞれ違います。

動画を30分見ただけで、「顧客からの質問に回答できるレベル」には達しません。

ワークとして、顧客からの想定問答集を渡して回答させるようなケースでは10分や15分では足らないかもしれません。

理解に必要な要素と併せて、どの程度の期間をかけて理解させるのか、確認ワークにはどの程度時間を要するのかをしっかりと考えてください。


テクニック

考える場面を強制的に作る

オンライン講座を自宅で見る場合はワーク時間が休憩時間になってしまうこともよくあります。

そこで、コンテンツとコンテンツの間にワーク時間を設けるのではなく、コンテンツを進めながら「考えさせる」形式を取ることをお勧めします。

具体的には、クイズ形式で進めていく、何かを思い出させてキーワードを入力させる、等です。オンライン講座が、録画ではなくリアルタイム進行であれば挙手をさせることも有効です。

ワーク用に穴埋めテンプレートを用意する

ワークショップ形式の研修では、フリーコメントを記載してもらうようなワークシートが多くあります。しかし、オンライン講座ではそのためのスペースも、時間も取りにくいのが実情です。

そこで有効なものが、穴埋めテンプレートです。穴埋め形式の設問を複数用意し、記入をさせるもので、多くの時間は不要です。穴埋めの回答は、当然講義中に説明があるものにします。

満点を取らない限り次のステップに進めないようにすることで、講義に集中する、講義の該当箇所を聞きなおすという行動に繋がります。

教えることを想定した演習をおこなう

人が学習する際、もっとも効果が高くなるのは「人に教える」時です。

オンライン講座であっても、それは変わりません。

ですから「人に教えること」を想定した演習を行いましょう。

具体的には

  • 初めて営業をする社員に、「どんな順番で、教えるか?どんな情報を伝えるか?」を整理させてみる
  • 業界が違う人に対して自社の良さを3つに整理して伝える

など、教える相手や内容をある程度具体的にすることで、考えやすくなります。サポートをチェックする際も、こうした条件に当てはめて採点ができるので採点側もやりやすくなります。


まとめ

いかがでしょうか?

オンライン講座におけるワーク、演習、テストの考え方が理解いただけたと思います。

トレーナビリティーでは、貴社の状況に合わせて、かつ現場で使えるようにするための研修・コンサルティングを用意しています。

オンライン講座作成実績も、約150本程度ございます。企画、講座作成、撮影、編集、リリースまで総合でサポートいたします。

 

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