中小企業が優秀な人材を採用するための3つの視点

優秀な人材、採用したいですよね。講演で、こう聞くと、ほとんどの経営者が「イエス」と言います。特に中小企業にとって、採用は大きな悩みだと思います。

大企業に取られてしまう、採用した人材が思ったよりも使えない、給料をこれ以上上げられないけどどうしたらいいか、、、など悩みは尽きないと思います。

そこで今回は、中小企業が優秀な人材を採用するために必要な、3つの視点を紹介します。

中小企業の場合、社員一人にかかる業務範囲が、大企業と比較すると広くなる傾向があります。つまり人材一人当たりの事業に与える影響が大きいのです。良い人材であれば、営業もできて、採用もできて、、、となる一方で、そうでなければ様々な業務が遅滞して・・・となってしまいます。

ぜひ、良い人材に出会うためにも適切な考え方を持ち、採用に臨んでください。

良い人材を採る より ダメ人材を採らない

よい人材を採用しよう、優秀な人材を採用しようというのは非常に重要です。しかし、それ以上に重要なことが「ダメな人材は採用しない」ということです。

例えば、あるコンサル先からの初回に相談されたのは「社員同士が不倫をしているがどうしたらいいか」でした。これはそうしたモラルのない行動に出てしまう社員の問題であり、会社の問題ではありません。(発見後の対処は会社の問題です)

外出中に顧客先にいかずサボってばかりいる、業績が振るわなくても気にせず周囲の人に悪影響を与える、会社の備品を自宅に持ち帰る・転売する、お客様に対する対応が悪くクレームばかり引き起こす、製品の不良率が著しく高い、といった問題が明らかなケースは避けたいですよね。

ダメ人材は、いるだけでマイナスの影響を与えます。直接的なコストになることもあれば、なかなか目に見えにくいコストとして存在することもよくあります。ですから、ダメ人材は採用してはいけないのです。

もちろん、会社によって人材の善し悪しの条件は違います。ですから、人材要件の明確化は必須です。「こんな人は絶対にNG」ということを決めましょう。

知人や取引先から採用を頼まれるというケースもあるかもしれませんが、人材要件に適っていないなら、不合格にしてください。縁故採用は悪いわけではありませんが、縁故採用で「自社に適さない人材」が入ってきては、会社の存続に悪影響です。

自分より優秀な人材、上司にしてよい人材は、積極的に採用する

これは私がリクルート時代に社内で徹底されていた言葉です。

経験の差はありますから、選考の時点で自分より能力が高い人は少ないかもしれません。

しかし、その人の人格、学習方法、自分が知らない分野への知見の広さ・深さ、やりぬく力など、秀でている部分があれば、そこを買いましょう。必要なことはしっかりと教える。しかし、教えられない要素、教えにくい要素というものもあるのです。

逆に、「自分の部下として使い勝手が良い人材だ」と思ったら要注意です。選考する側が、自分を補完する存在としてしか人材を見ていない可能性があります。

優秀な人材を採用したら、その優秀さをいかんなく発揮してもらう必要があります。教えることはたくさんあるかもしれませんが、裁量を与えたり、難易度の高い部門に配属したり、あるいは適正の高い仕事についてもらう必要があります。

しかし、採用する側が「部下としての使い勝手」しか見ていないと、既存の仕事の穴埋めのような配属になりがちです。また、そういう印象を与える候補者も、指示を受けたら指示内容しか仕事をしない、というケースがよく発生してしまいます。

あくまでも部下として、部品としてみるのではなく、会社をひっぱる人材を採用するのだ、という気持ちをもって採用に当たりましょう。

採用はセールス業務、採用業務はトップセールスの仕事

最後は、採用という業務の考え方です。優秀な人材を採用したいと思ったら、採用活動を「受け身」で進めるのではなく、目標必達の営業担当のように進めましょう。

特に中小企業では、採用の仕事というと、ハローワークに求人募集を出したり、人材広告を使ったり、というように「広報活動」だと捉えているケースが多くあります。

採用は広報ではなく、営業です。広告はあくまでも「人を集める」だけです。見込み顧客が集まったら、しっかりと見極めをして、欲しい人材だったら口説くことが大事です。自社の良いところをしっかりと伝え、場合によっては迷っている他の会社と比較していただき、クロージングする、といった攻めの活動が重要です。

この繰り返しで一人、また一人と優秀な人材を採用し続けることで優秀な人材が社内に増えていき、それが更に優秀な人材を引き付ける要素になっていくのです。採用はセールスである、という意識のもと、広告費や紹介料の予算、あるいはメディア発信用の予算を確保して進めていきましょう。

まとめ

いかがでしょうか。採用というと、とかくテクニック論が先行しがちです。しかし、そのテクニックも、前提となる視点が正しく整っていないと、適切な活用ができません。

まずは適切な視点を持つことで、採用成功の土台を作りましょう。

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