営業における「質と量」の関係性

Trainability 営業・組織コンサルタントの新井です。

今日は、営業活動において、よく議論される「質と量」の話を考えてみたいと思います。

営業は、量より質である
営業は、質より量である

皆さんはこれについて、どうお考えになりますか?
研修をする前には必ず顧客の営業マネージャーにヒアリングをするのですが、
概ね次のような意見が出てきます。


営業は確率だ。とにかく量だ、量をこなしていけばニーズにぶつかる。
営業は質だ。質の伴わない営業は迷惑行為だ。
営業は質だ。レベルが上がれば、どんなものでも売ることができる。
多くの意見が、この3つに集約されます。
これらの意見、3つ目は極端だと思いますが、概ね正しいと感じます。

私は、この「質と量」の問題は営業スキルの習熟度合いによって変化していくと考えています。

営業初心者の時期。
この時期は、圧倒的に質より量です。

もちろんいろんなスキルを学び、試してもらって構いません。
しかし、「スキルを使える」状態になるためには、当然そのための
実践が必要になります。

営業本番はロープレとは違います。
相手ありき、スキルを使えない、使っても上手く行かないことが
頻繁に起こります。

そうした経験を積み重ねることで、「質」が向上していくのです。

この「経験を積み重ねる」というのが「量」の世界です。
量の世界でこだわって仕事をすることで、経験値が高まり、
周囲より早い質的向上が見込めます。

ある程度スキルが上がり、顧客対応力、営業力があがると、
今度は質で勝負する営業に変化してきます。

顧客のニーズを引き出す、ニーズに気付かせる、新しいニーズを創出する

こうしたことは、偶然や意図的なトライアンドエラーを繰り返し、
再現性のあるものになっていきます。

しかし、完全に質だけの世界にはなりません。

記号で書けば、量>質 という世界から 量≦質という世界に変わります。
ここで大事なのは、量はどこまでいっても、不要にはならないということ。
つまり、一定の量(アプローチ数)は絶対に必要です。

この感覚を持っていると、高いレベルで成果を「出し続ける」ことが出来ます。

質だけを追い求めていると、リスクヘッジが出来ません。
よほどレベルの高いひとであれば別かもしれませんが、一般的な「出来る人」レベルでは
量の担保がとても大事な要素になります。

元プルデンシャル生命保険のスーパーセールスマンだった(年収は億単位)の方も
質の維持・向上のために毎週必ずロープレをし、そして確実な成果のために、毎日顧客訪問や
テレアポをしていたそうです。

この方のレベルにいる営業パーソンは日本国内にも両手で数えられる
程度の人数しかいないのではないでしょうか。

超一流は、量も質もこだわります。
普通の私たちが、そこへのこだわりを捨てたら、いつまでも壁を超えられません。

量と質

相反するものではなく、両方があるからこそプロである。
その認識をもって、私も仕事に臨みたいと思います。

新井