営業OJTのポイント

新井です。
「新人営業の育て方」についてコラムを書いてみたいと思います。

5月になると、多くの会社で採用された新人達が、それぞれの所属組織に配属されていることと思います。そこでよく起こるのが「新人が育たない」「新人が使えない」などという悩みです。
新人なので最初はできなくて当然かも知れませんが、そもそも「新人に何をどこまで、いつまでに教えるか/期待するか」がハッキリしていないことも多いように感じます。
営業であれば、「新規のアポ取りが十分にできる」を期待しているのか、それとも「提案書を使ったプレゼンまでできる」ことまで期待しているのかによって、教えることが変わります。
OJTとは、こうした「教えるべきこと」を実務を通じて伝え、できるようにしていくことが目的です。こうした育成項目を明確にせず、「現場で頑張る」ことをOJTとして実施してしまうと、やるべきことが散漫になってしまい、結果的に新人が育たないということが見受けられます。

では、どういう形でOJTを設計すればよいでしょうか。
既存の体制をあまり崩さず取り入れられる方法として、今回は【ステップアップ型】と【逆算型】の二つを紹介します。
【ステップアップ型】とは、仕事の流れのなかで、スタートから順に教えていくという方法です。例えば営業であれば、テレアポを教え、次にアポイント準備を教え、商品説明の具体的なロープレをして・・・という形で進めます。段階ごとに目標を設定し、その目標に到達しているかどうかを指標として育成を進めていきます。
【逆算型】とは、仕事の流れのなかで、ゴールからさかのぼって教えていく方法です。例えば、最初に見積りシーンに同席させ、見積り作成のポイントや見積り提出時のロープレを行い、次にヒアリングに同席/ロープレをして・・・という形で進めます。
【逆算型】の方が、理想状態から入りますから多くの成功体験および上手くいくためのポイントを先に理解することが出来ます。ただし、実際には見積りのシーンよりもテレアポの方が多いですから、体験させるチャンスが減ってしまいます。
いずれにせよ、育成方針や採用したメンバーの性格、また、貴社のビジネスモデルを鑑みて、どちらが「スムーズに効率よく」仕事全般を理解できるのか、考えてみてはいかがでしょうか。

なお、このコラムは日本の人事部にも同文が掲載されています。そちらも併せてご覧ください。
http://jinjibu.jp/spcl/SP0005773/cl/detl/937/?link=tp