営業研修で心構えを教えることは可能?心構えの重要性とそれを伝える4つのポイントを紹介します

営業に限った話ではないかもしれませんが、仕事では、スキル以上に心構えというものが重要になる場面が多くあります。

しかし、そうした心構えについては

  • その人が、どんな人生を送ってきたかで決まるのだ
  • 人格のようなもので、変えることはできない

といった「教えられない」という意見、

  • スキルが高まれば十分受注できるからスキルを学ぶべき
  • アウトプットとは関係がない

といった「教えても意味がない」という意見もあります。

しかし、トレーナビリティーでは、心構えは教えられる、身に着ける意味があると考えます。

正確には「教える」のではなく、「気づき、行動を変えられる」というのが営業研修において心構えを扱う際のポイントです。


営業における心構えとは?

心構えとは、「物事に対処する(事前からの)心の用意」と辞書にはあります。
何かあった際に慌てるのではなく、事前に心づもりをしておくことで、慌てず冷静に対応できる、という意味です。

営業における心構えとは、もう少し広い意味で捉えます。
それは、「どういう気持ちの準備をし、何を目的としてお客様に臨むのか」ということです。

スタンス、意識、目的、などという言葉で表現することも多いかもしれません。


どのような心構えが、営業では重要なのか?

営業において重要な心構えは、以下のようなものが挙げられます。

  • お客様に突然質問されても答えられるようにしよう
  • 悩んでいるようだったら、しっかりと待とう
  • 今日はクロージングしよう
  • お客様の役に立つかどうかを重視して提案しよう

といったものです。

大事なポイントは、その心構えがあることで、

  • 準備の質が変わる
  • 商談での対話の質が変わる
  • 提案の質が変わる
  • 顧客との付き合い方が変わる

という行動の変化があることです。

そうすると、スキルを身に着ければよい、と思うかもしれませんが、心構えがあることで、スキルの使い方、使いどころが変わってくるのがポイントです。

例えば、準備のために、自社の製品の組み合わせを考えているとします。

その時に、「質問されても答えられるように」と思えば、細かな資料を確認したり、想定問答集をつくったり、先輩に難しい質問例を教えてもらったり、という行動になります。

このような「営業成果に繋がる」可能性がある心構えが大事で、伝えている心構えが成果と無関係なものではただの精神論になってしまいます。


営業研修での心構えの扱い方

心構えは、スキルのように明確に伝えることや練習することが難しいものです。以下の4点を参考に、営業研修に取り入れてみてください。

  1. 実績があり心構えとスキルの関連性を伝えられる講師が話す
  2. 受講者の過去頑張ってきたことと、頑張っていたころのこだわりを言語化させる
  3. 心構えの変化により成果がどう変化したかを実体験で話す
  4. 心構えの変化により成果がどう変化するかを論理的に話す

 

営業実績が高く、心構えとスキル・結果の関連性を伝えられる講師が話す

営業研修をするのであれば、営業としての実績がそのまま説得力になります。

ただし、「昔俺はすごかった」ではダメで、今もすごいことが大事です。もっと言えば、講師となる方が先輩として、営業として尊敬されているかが大事です。マネジメントの原則と同じく、「誰が言ったか」が強い影響力を持つと思っておきましょう。

また営業実績の裏側に、その方なりの「心構え」があり、それが良い結果に結びついたということをしっかりと例示できることが重要です。

この例示ができなければ、自慢話で終わってしまう危険性もあります。

営業の心構えを教える前に、受講者の過去頑張ってきたこと、頑張っていた頃のこだわりを言語化させる

受講者にも、過去様々な経験があり、頑張ったことがあるはずです。その時の何故頑張れたのか、どう頑張ったのか、なぜ続けたのか、何を目指したのか、なぜ目指したのか、といったことを開示し合ってから研修に入りましょう。

そうすることで、頑張りの裏に「目的」「意図」があることが普通である、と感じて頂き、心構えを伝えても理解しやすくなります。

 

心構えの変化により営業成績がどう変化したかを実体験で話す

営業トークと同じく、実体験があることが説得力に繋がります。ここでの実体験は、社内で伝わっている事例や、大きなお取引、お得意様との取引等、受講する側にとって馴染みがあるものの方が伝わりやすいです。

実体験が伝わることで、会社の中でストーリーが生まれます。このストーリーが営業における心構えを思い起こさせるものになるのです。

 

心構えの変化により営業成績がどう変化するかを論理的に話す

心構えがあることが、どのような行動の変化、結果の変化に繋がるのかを論理的に伝えます。ここでのポイントは、心構えの抽象化の段階の選び方と、矛盾するように感じる心構えをセットで伝えることです。

心構えの抽象化の段階とは、相手にとって思い出せる抽象度合いで、かつ具体的な変化を含みすぎないもの(2~3個の変化が良い)ものを選ぶことです。

例えば、「顧客の為を想って頑張る」という言葉は、抽象度が高いものです。顧客のためにと言い出すと、値引きしたり、サンプルを配りすぎたり、勤務時間外に呼び出されたり、ということに繋がりかねません。

そこで例えば、「顧客が==という状態になるために」とすることで、営業が思い当たる行動を狭めることが可能になります。

 

とはいえ、抽象から具体に落とすのは難しいものです。そこで大事なことは、矛盾するように感じる心構えをセットにすることです。

「顧客の為に」と「自社の利益を守るために」をセットで伝えることで、値引きやサンプルの不用意は配布がダメなのだ、と伝わります。

営業研修において心構えを伝える際は、上記の4点を参考にしてみてください。


まとめ

いかがでしたでしょうか?心構えは、ただの精神論ではなく、その人の行動を変えるもので、それは研修を通じてしっかりと伝えられます。

  1. 実績があり心構えとスキルの関連性を伝えられる講師が話す
  2. 受講者の過去頑張ってきたことと、頑張っていたころのこだわりを言語化させる
  3. 心構えの変化により成果がどう変化したかを実体験で話す
  4. 心構えの変化により成果がどう変化するかを論理的に話す

この4点を意識して研修カリキュラムを作る、またはそれができる外部業者を選定してください。

 

 

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