どうすればセールスの成約率が上がるのだろうか?
こんな風に考えたことが、あなたにもあるかと思います。多くの会社ではセールスの効率化、あるいはセールス組織の底上げを目的としてセールスのトークスクリプトを作成しています。
トークスクリプトとは、セールスの成約を目的として、何についてどんな順番で話せばよいかを記した台本のことを指します。
このトークスクリプトですが、実際に多くの会社で作成をするのですが、正しく活用されず、個々人で改変されてしまっているケースが多く見かけられます。その結果、狙っていた効果が出ていないということもしばしばあります。
今回は、トークスクリプトが失敗する要因と、どうすれば効果が高いスクリプトが完成し、かつ運用されていくのかをお伝えします。
トークスクリプトが失敗する要因
多くの会社では失敗するトークスクリプトを作成しています。そしてそのまま失敗に至っています。まずは、どんな要素があると失敗しやすいのかを確認しましょう。それを裏返せば成功しやすくなります。
キーワードが箇条書きになっている
セールスに考えさせたい、あるいは話の流れが変わっても対応できるように、等の配慮からキーワードや、話すことだけが羅列してあるケースです。これは失敗しやすいです。
・商品説明をする
・業界ナンバーワン
・営業効率30%アップ
こんな感じです。
特に初心者には、この方法は取らない方がよいです。なぜなら、抽象的すぎて、会話の内容に統一性がなく振り返りができません。また、どんな流れの時に生きるキーワードなのか、が分からないからです。
会話形式のみでトーク分岐がない
では会話形式だといいのか?というとそんなわけではありません。会話形式にすると、具体的なイメージができる一方、想定外の会話の際に対応ができないからです。
特に、作成するときのペルソナ想定が甘いと、「どうせこんな会話にならない」と使われなくなってしまいます。
なぜ成果がでるのかが説明されない
多くの会社のトークスクリプトは、「なぜ成果がでるのか」が分からない作りになっています。この通りに話せばよい、という点では親切ですが、勘の鋭い営業や、自分で勉強をしている人以外はなぜ成果がでるかが分からず、商品の変化や市場の変化に対応できません。
営業の成長を意識し、成果がでる理由をしっかりと伝えましょう。
効果の上がるスクリプトの作り方
では、どのようなスクリプトを作成すれば、効果が上がるのかを考えて行きましょう。
7割の再現性を目指しペルソナ設定をする
スクリプトは、100%全てのお客様に対応することはできません。大事なのは、会社がアプローチしたいペルソナを想定することです。7割程度のお客様に該当するスクリプトが作れればベストです。最初は3割程度で構いません。
これが作れないということは、会社の営業方針がない、ということでもあります。しっかりとペルソナ設定をしましょう。
フローチャートと台本の両方を準備する
会話の流れを、まずはフローチャートで作成します。話題の変化と共に、どんな対応が求められるのか、という全体像を理解させましょう。
その上で各ポイントにおける会話台本を作成します。ペルソナは再現性3割からスタートと言いましたが、会話も3割で大丈夫です。どんな対応がなされたかを記録し、振り返りをしながらブラッシュアップしましょう。
キーワードは強調し、理由をつける
必ず言ってほしいキーマンや、話す順序があれば、そこは赤字で強調しましょう。そして、欄外で構いませんので、なぜそれが重要かを理由とともに伝えます。
自社の強みを伝えたい、○○心理効果を狙っている、などを記載することで、スクリプトを通じて汎用的なスキルの理解も進みます。
内容だけでなく、話し方も指導する
忘れがちなのですが、話し方も重要です。どんなテンション、声の大きさ、態度で話すのか、という指導がなければ再現性は上がりません。
スクリプトの運用の仕方
では、作成したスクリプトをどう運用していけば、スキルの底上げや確度向上につながるのかをお伝えします。
再現性を高めることを第一に考える
まずはマインドセットです。スクリプトは、再現性を高めるためにブラッシュアップし続けるものだと認識しましょう。完成はありません。
また、一人一人の営業担当に、このことを口酸っぱく伝えてください。「もうこんなもんで十分だ」と考えるような社員がいたら、振り返りが機能しなくなります。上司の関わりが重要です。
定期的に振り返りをし、キーワードとフローを見直す
週に1回、2週に1回など、振り返りをしましょう。
振り返りのポイントは、トークのフローチャートで想定外のことが起こったかどうか、それはどんな流れか、どのように対応し、どう進んだか。
キーワードも同様です。キーワードが活用できたか、できない理由は何が考えられるか、です。
この時重要なことは、ごくまれに発生するお客様に対応しようとしないことです。あくまでも再現性の向上が目的ですので、似たような事象が増えてきたら、それを盛り込んでいけばよいですが、そうでなければフローチャートやキーワードは変更してはいけません。
上司や先輩が、「アドバイスする」に留めましょう。
上司や売れているセールスが振り返りに付き合う
売れている人は同じようなキーワードを使っているようでアレンジしていたり、無意識で取っているアクションや態度があるものです。そうした要素を見つけるためにも、振り返りには売れているセールスや上司を巻き込み、細かな再現ロープレをしましょう。
まとめ
以上、セールススクリプトの作り方、運用の方法をお伝えしました。
デジタル時代は、特にスクリプトが重要になります。しっかりと作成し、運用していきましょう。
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