個人営業は今後も必要か?AIに置き換えられない個人営業の必要性と意味について

個人営業、というと人によっては「ノルマ」「追い込み」「飛び込み」などのネガティブなイメージを持つ方もいると思います。

しかし、今後AI時代になってしばらくはその必要性が高い職業として、個人営業は残り続けるでしょう。

将来が不安、しっかりと自分の生活を安定させたい、という方は(どんな会社を選ぶのか、という問題もありますが)個人営業という仕事はとても意味のある仕事、重要な選択肢の一つになるはずです。

今回は、将来AIに置き換えられない、個人営業という仕事の必要性や意味、そしてその仕事を通じて得られる成長についてお伝えします。


個人営業がなぜ今後も残るのか

個人営業は、間違いなく今後も求められる仕事です。世の中に必要な仕事と言っていいでしょう。その理由をお伝えします。

WEBでは高いものは買えない人の存在

多くの人は、大事なお買い物を非対面で行うことはいたしません。家、車などWEB上で完結できるにも関わらず、対面の場所を選ぶ方が相当数います。

それは、高いものは対面でないと買えないからです。
買えないというのは、心理的な意味だけでなく、カードの限度額の問題、ローンの問題なども含みます。

車をカード一括で買える人は限られます。そうした人だけがWEB上で車を購入できます。しかしそうでない方は実物を見て、触って、試して・・・という心理的ハードルに加え、ローンの契約書を作成し、本人確認をし、という手続きをとる必要があります。

もちろん、ただ手続きだけであれば手続きだけがAI化されますが、実際はそうではありません。契約のキャンセルを防ぐ、ワクワクして待ってもらう、といった、手続きの中に内在するまだ人でなければできない仕事があるからこそ、個人営業に価値があります。

置かれた状況は人それぞれ

その相手に合わせることの最たるものが、「相手の状況に合わせる」ということです。論理的な説明が欲しい人、感情的に寄り添ってほしい人、すぐに決められない人、色々な方がいます。

相手に合わせた対応をし、同時に相手の購買意欲を上げていく仕事が個人営業なのです。


個人営業という仕事で得られる成長とは

「買われ方」「使われ方」のパターン

個人営業は、相手がどんな気持ちで、どんな用途でものを購入するかを目の前で見ることができます。これが「買われ方」「使われ方」です。

この力は、対面営業でなく、WEB上でのセールスや商品開発にも欠かせないスキルです。良いものが作れない企業は、この「買われ方」「使われ方」を意識していません。

例えば成人向けの書籍。ニーズがありますが、同時に、それを買っているところを見られたくないという気持ちもあります。そこで、本屋で購入する際は他の本にサンドイッチさせて買うという手法があります。これが「買われ方」です。

Amazonで最も売れているのは成人向け書籍やアダルトグッズという話もありますが、それぐらい見られたくない人が多いということでしょう。これが分かっていれば、どう売ればいいかもわかるはずです。

例えば、切手。切手は郵便局やコンビニで売っています。買う人は、「誰かに手紙・ハガキを送りたい」という気持ちとともに購入します。これが切手の「使われ方」です。

メールやSNSの登場とともに切手の売上が右肩下がりなのは、この「使われ方」が一緒だからです。逆に言えば、従来の商品の「使われ方」を知っていれば、それを倒す商品を作ることができるということです。

営業としてただ売るのではなく、将来のステップアップのためにも「買われ方」「使われ方」を理解できるようになれば、大きな成長といえるでしょう。

人を見極め、協力関係を作る力

目の前の相手がどんな状況なのか、何を知っているのか、どんな性格なのか、何に困っているのか、どうすれば感情が動くのか、ということを理解する力が身に付きます。

これは、どんな場所にいっても早急にネットワークを作り、協力者を作り上げる力に他なりません。仕事のスキルが高ければ人間性は問わない、という人はごく少数で、実際は多くの日本人が人間関係を重視して仕事をしています。

人を見極め、そして協力関係を作る力を身に着け、どんな場所でも活躍できる人になりましょう。

言葉選び、対応力

相手の分かる言葉、刺さる言葉、相手がじっと考えられる対応など、対面で人を相手にするからこそ身につくスキルがあります。

こうしたスキルは、セールスレターといった営業に関連する仕事だけでなく、コミュニケーションの基本です。企画を通したい、上司に自分を評価してもらいたい、といった色々な場面で役立ちます。


ではどんな会社ならいいのか?

個人営業は成長できると私は考えています。しかし、大事なことは会社選びです。上記のような成長ができない会社を選んではいけません。

いくつかポイントを紹介しますので転職を考えている方は参考に、また企業の方は自社のチェックとして活用ください。

業界は関係ない

まず、個人営業の成長、業界は関係ありません。不動産、英会話教材、保険、なんでもいいでしょう。リクルート社のホットペッパーのようなビジネスも個人事業主を相手にするケースも多いですが、そうした仕事でももちろん大丈夫です。

○○の業界だから潰れる、というのはビジネスモデルの話であり、営業としての成長の話とは論点が違います。そこは別物として捉えましょう。

強引なセールスをさせる会社は選ばない

昔は個人営業イコール強引な営業と思われる時代もありました。今でもそう思っている方も多いと思います。

脅す、勝手に契約を結ぶ等ひどいことをしている会社もありますが、強引なセールスはすぐに行き詰まりますし、何より人を幸せにしません。

そうした会社にいても、あなたの成長はありませんし、人を不幸にして自分はお金を貰うというビジネスは精神上よくありません。悪い噂は人事同士で伝わりますので、転職も難しくなるのが実情です。

マニュアル一辺倒の会社は選らなばい

マニュアルが悪いのではありません。マニュアルから外れることをNGとする会社はダメです。

ただし、マニュアルから外れていいのは、マニュアルをしっかりと守り、基本の型が身についてからです。自由にやってみて上手くいくこともありますが、成果は安定しません。まずは成果を安定させ、その上で自分のオリジナリティを出しましょう。

マニュアル一辺倒では、工夫の余地がありませんから会社としては成長しません。マニュアルから外れるな、ということは会社の成長を放棄しているか、社員を成長させないことの露でもあると考えます。

マニュアルから外れる余地、工夫する余地がある会社であれば、個人営業として成長できるはずです。

できれば高額商品を扱う会社を選ぶ

高額商品ほど、購入する際に衝動買いができません。買う方は、何度も考え直し、シミュレーションをして、悩んで買うことが通常です。

つまり、営業としては相手に難易度の高い意思決定を迫る必要があるのです。関係性を深くし、専門家として情報を提示し、同時に相手の購買意欲を高める必要があります。

逆に安い商品であれば、とにかく足で稼ぐことが中心です。よほど意識しない限り、個人としての成長は、体力、根性が中心になります。


まとめ

いかがでしょうか?個人営業は今後の社会に必要なスキルです。対面での業務は減っていくでしょうが、求められるスキルは不変です。ぜひ、個人営業でのチャレンジも選択肢に加えてみましょう。

また営業を育てる、採用する側の方はぜひ、上記のポイントを候補者や社員に伝えてあげてください。そしてよい営業を輩出し、更なる成長を企業としてもしていただきたいと願っています。

 

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