皆さんは自分の新入社員時代を覚えていますか?
私は16年前に内定式を受けまして、その式の後、そのまま4人組グループに分けられて、半年間の入社前課題に取り組むことになりました。
その時に社長から大前研一氏の言葉を紹介されました。今でも覚えているのですが、大前研一氏がいうには、人間が変わる方法は3つしかないそうです。
大前研一氏が語る 人が変わる3つの方法
大前研一さんが言うには、人が変わる方法は3つしかないそうです。
それは、
・時間配分を変える
・付き合う人を変える
・住む場所を変える
というものです。
時間配分とは、優先順位そのものです。しかし、多くの人は優先順位を意識したとしても、その通りに着手していません。だから、時間配分を変えるのです。そうすれば優先順位が分かっていなくとも、結果が変わります。
付き合う人とは、マインドセットや視点の高さに影響します。愚痴を言い合う人と一緒にいてもストレス発散にはなりますが、それ以上の意味がありません。刺激を受ける相手、勉強できる相手と付き合うことで、自分も引き上げられます。
住む場所は体調や学びの環境に影響します。片道2時間かけて通勤するか、会社の近くに住むか、リモートワーク前提で自然豊かな場所に身を置くか。
いずれにせよ、人が変わる方法はこの3つだ、というのです。もちろん、他にも色々な要素はあるかと思いますが、今回はこの3つを制度的に促進する方法をお伝えします。
時間配分を変える
従業員の時間配分は、経営者が考える以上にぐちゃぐちゃです。タスクの洗い出しが甘かったり、優先順位がおかしかったり、時間帯の意識が薄かったり、、、
こういう状態で大事なことは、2つあります。
業務ごとに必要な 適切な業務時間の認識
仕事には適切な時間があります。時間をかければ成果が高まる性質のものもあれば、時間とは関係なく成果が出るものもあります。
まずは、仕事の性質を見極めることが大事です。ただし、それだと自分の仕事は時間は関係ないといって、別のことをしたり、必要以上に時間をかける人がでてきます。
業務ごとの適切な時間帯
次が時間帯です。同じ仕事でも朝がいいのか、夜がいいのか、変わりますよね。
ある営業会社では、夕方がアポ取りゴールデンタイムです。だから、16:00以降は誰も無駄話してませんし、アポ取り以外の仕事をするためには上司の承認が必要です。
あるいは、生産的な仕事は朝、ミーティングは疲れてもできるから夕方、など人のバイオリズムは時間によって変わります。これを見越して仕事をしてもいいでしょう。
必要行動の特定
そこで大事なことが成果のための必須行動の特定です。
必須行動とは、成果を出すために必要不可欠な行動、例えば営業なら商談件数や、その前段階のアポイント数です。
この必須行動にどれだけ時間が必要か、その時間を確保しているかを明確にすることで部下の時間配分が変わります。
付き合う人を変える
次は付き合う人を変える、です。
これは会社内で行うのが非常に難しいと思われがちです。人の異動、採用、退社など人材の移動をイメージしてしまうからです。
しかし、この項目について大事なことは方法よりも目的です。
つまり、何のために人間関係を変えるのか?です。しっかりと考えて対応しましょう。
人間関係を変えるのは基準を上げるため
では何のために付き合う人を変えるのか?それは、基準を上げるためです。
これくらいでいいや、こんなものだろう、という組織内にある当たり前の感覚を変えていくことが目的です。
ですから、ただ社内異動で人を入れ替えても意味がありません。異端と言われる人、組織、あるいは別カルチャーの人や組織と関わることが大事なのです。
そのための方法は?
目的を踏まえると、多くの場合、社内で異動してもあまり意味をなさない場合が多いです。
社内の文化や基準は、あまり差がないからです。
となると、方法としては外部交流の方が適しています。採用で新しい血を入れる。文化や仕事観の違う会社に出向させる、あるいは別会社の方に来てもらって話してもらう。
採用の場合はよほど強い意志や狙いがないと、社内の基準に染まりますから要注意です。
有効な手段としては、
リーダーシップのある人材を、人材交流で他社から招き入れる
他業界で高い実績がある方を管理職として採用する
他業界経験者と1on1を実施する
業務とは別の目的・目標を持たせて業務に当たらせる
などが挙げられます。
例えば、これに該当する施策として有名なものがリクルート社のNewRINGですね。
事業開発コンテスト、という側面が有名ですが、実は社外人材との交流や社外ノウハウの獲得という側面も持ち合わせています。
RINGでグループを組む際には、実は他社の人材を引き入れてよいことになっています。
他社の人材を共に起案したものが、全社員に触れる、交流の機会が増えることで、社外のノウハウや考え方を積極的に吸収していくことが可能になります。
住む場所を変える
最後が住む場所です。どこに住むか、は体調や学びの環境に影響します。
住む場所の影響
住む場所を変えることの影響はとても大きいです。職場から近ければ移動時間が不要ですから、時間を使いやすくなります。
遠くても、居心地が良い場所ならリラックスし、体調を整えて豊かな人生になるという人もいるでしょう。
従業員にどんな環境にいて欲しいのか?を考えた上で施策化しましょう。これは会社の考え方が大きく影響します。
住む場所は基本的に本人の自由です。時間配分については、業務時間内であれば高い強制力を持ちます。付き合う人についても、会社は一定の強制力をもつ施策を打つことができます。
しかし住む場所はなかなかそうもいきません、なぜなら、プライベートの領域だからです。それを踏まえて施策化しましょう。
住む場所を変える施策は?
住む場所についての施策として代表的なものが、寮・社宅です。場所の管理もできますし、寮ならば業務時間外も仕事の環境に近づけられます。
しかし、付き合う人を考えると、同質化する傾向も強くあります。
そこでオススメは、条件付き住宅手当です。例えば本社や勤務地から3駅以内に住むなら◯円の手当、田舎に住むなら◯円手当、としましょう。
サイバーエージェント社では、二駅ルール、として勤務地から二駅以内に住む従業員に月3万円を補助する制度があります。交通費やタクシー代など、色々勘案すると大差なく、施策としての効果も高いようです。
まとめ
いかがでしょうか?人が変わる手段は大きく3つという大前研一さんの考えを基に、それを実現するための方法について考えてみました。
トレーナビリティーでは、上記の概念をより詳しく解説し、かつ現場で使えるようにするための研修やコンサルティングを用意しています。
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