営業をしていると色々なお客様がいますよね。全然買う気がないのに呼びつける人、初めから買う気がマンマンで訪問せずとも契約できてしまう人など様々です。初めて会った時はあまり興味がなさそうだったのに、半年後に急に依頼の連絡をくれる方もいます。
本音を言えば、できれば「買う気がある」お客様に会いたいですよね。
そこで今回は皆さんのリストを「買う気があるお客様」に変えていくための顧客分類スキルについてご紹介します。
顧客分類スキルとは?
顧客分類スキルとは、その字の通り「お客様を分類する」スキルです。これを活用することで、皆さんの抱えているリストが徐々に「買う気のあるお客様」に変わっていきます。
では具体的にどのように分類するのが良いか、ご紹介します。
顧客分類はこの5段階で考えることが効果的です。
まずは分類のための3つの観点をご紹介します。
問題の意識
これは、顧客が、「あなたが解決できることを問題だと思っているか?」ということです。
×は「何も思っていない」○は「なんとなく問題だと思っている」◎は「解決したい問題だと思っている」です。
多くの人は、この問題の意識がありません。ですから知識として何かをしっていても、当然何も行動していません。
普通にテレアポをするとこの段階の人が非常に多いです。リストを買っても同じことが起こります。
ダイエットを例にして考えてみましょう。
「痩せたい!」と思っている人は、どんな人かというと「自分は太っていると思っている人」です。客観的に見て「全然太っていないのに…」と思うような方でも、気にしている人はいらっしゃいます。
この気持ちが芽生えなければダイエット情報を収集し、実行しようとはしませんよね。また、太っているように見えても「気にしていない人」も同様です。
「痩せたい!」と思わせることが大事だと考えてください。
解決方法を知っているか
問題の意識があったとして、次に大事なことが「解決方法を知っているか」です。
×は「解決方法を知らない」、○は「解決方法を曖昧な知識で知っている」◎は「正しい情報、具体的な解決方法を知っている」です。
○は曖昧な知識です。例えば「ジョギングをすれば痩せるらしい」「糖質制限がいいらしい」ということは知っていても、その具体的な方法や正しいやり方を知らない状態です。
ジョギングで脂肪燃焼をするためには何分以上走る必要があるとか、最適な心拍数はどの程度かなどを知らなければいけません。
糖質制限も、どんな食品に糖質が含まれているか、どこまで接種してよいかが分からなければ実行に移せません。
余談ですが、ここが曖昧な状態ですと「==するだけダイエット」というような本当は効果がないメソッドに飛びついてしまいます。「リンゴダイエット」「バナナダイエット」なども一時流行しましたが、それぞれ糖質も多く、その他の必須栄養素もありません。当然失敗します…
正しい解決方法を知らなければ解決することができません。多くの場合、ここで商品を紹介し、解決できますよ、と伝えます。そうすることで次の「商品/会社を知っているか」に進みます。
商品/会社を知っているか
正しい解決方法をちゃんと実行するために、商品やそれを提供している会社を知っていることが大事になります。相手に購入してほしいわけですから、そのイメージを持ってもらいましょう。
×は「知らない」、○は「知ってはいるが、複数並んだ時に違いが分からない」◎は「各社の違いや商品ごとの違いも知っている」です。×の状態から、調べたり聞いたりして○になり、詳しくなっていくと◎になる、というイメージです。
○は、様々なダイエット用の食品があることは知っているが、A食品とB食品の違いが分からないという状態です。ですがAはタンパク質が多い、Bは糖質が少ない、Cはダイエットと言っているけどお腹を持たせているだけ…などが分かります。
また、トレーニングをするにも「自分は知識があるから、一人でジムにいく」「一人では続かないからパーソナルトレーニングをつける」等の選択ができるようになります。
3つの観点を組合せて5段階にする
以上の3つの観点の×○◎を組み合わせて、図のような5段階にしていきます。
この段階に応じて、人の心理や状態が違うことが分かりますよね。その状態に合わせた情報提供と、お客様の状態を1段ずつ上げていくことが営業行為になるのです。
具体的なやるべきことは?
では具体的に何をすればいいのでしょうか?段階ごとの対応例を見てみましょう。
第1段階
最初はまだ何も問題を感じていません。ですから「これはまずい」「このままじゃいけない」と感じてもらうことが重要です。
この問題の認知のために有効なのが、状況の言語化と簡易診断です。状況の言語化とは「今~~~ではありませんか?」というものです。そして、その状況がいかに問題かを伝えていくのです。
問題である、または将来問題が起こる可能性が高い、ということを示していくことで相手に気づいてもらうことができます。
この時、可能であれば「簡易診断」があるとよりよいでしょう。
分かりやすい例が「メタボ基準」です。男性であればウエスト85センチ、という基準があることで「自分はどうなんだろう?」「これってまずいのか」となります。
もちろん、必要以上に煽ることは避けましょう。しかし、提供する側がプロとして感じる「これはまずい」ということを伝えていかなければ、知らない人は気づくことができません。
第2段階
問題の意識がある人には、セミナーやメルマガが効果的です。過去名刺交換をした、という方へメルマガを配信している会社や事業主の方も多いと思います。メルマガで、どうすれば解決できるか、ということやどんな問題がありうるのか、ということを繰り返し伝えましょう。
ここでは、売り込みではなく「情報提供」が重要です。しっかりと信頼関係を築いていきましょう。この段階で売り込みをしても、多くの方が「他も検討」となります。
メルマガではなく商談でこうした方と出会った場合には、まずは問題の構造や一般的な解決方法、考え方をお伝えし、その上で自社サービスの説明に入ることが大事です。
なお、この段階までは会う必要はありません。電話やメールでのリードナーチャリングが可能になります。定期的にセミナーを開催し、そこに呼ぶ、という形も有効です。
第3段階
いよいよ自社の商品、サービスを紹介するタイミングです。
「解決方法は何となくわかった。でもどうすればいいのか。」という方に自社の商品、サービスを提案していきましょう。
提案の際には、何度も問題を引用しながら話をすること(またはレターを書くこと)、および特徴とメリットを分けて伝えていきましょう。
※提案のポイントについては 営業研修でスキルアップする2つのポイントとは? をご覧ください
第4段階
商品、サービスを提案したからと言って、すぐに購入になるケースばかりではありません。多くの方が「よりよい選択」のために迷うのが実際です。
すると「検討します」となってしまいます。検討します、、、と言われたことで諦めてしまう方が多いのですが、それではいけません。しっかりと相手に「良い検討」をしてもらうことが大事です。
※「検討します」を防ぐためのテクニックは、営業の悩み解決!商談スキル お客様の「検討します」を、断り文句ではなく本当に検討してもらうための商談・クロージングテクニック をご覧ください。
ここでは良い検討の為のポイントをご紹介します。それは、競合との比較を、先に行ってしまうということです。
顧客が競合サービスと比較してから伝えるのではありません。先にあなたから「似たようなサービスでこういうものがあります」と教えてあげるのです。そして、正直に競合の良いところもそうでないところも教えてあげましょう。
そこで大事になるのが比較表です。表を作成して一枚の紙にし、置いてくればいいのです。仮に競合が営業に来ても、顧客は「比較表が正しいか確認する」という行動を取ることになります。
もし対面でないのであれば、しっかりと他社サービスについて文章で紹介しましょう。
第5段階
最後の段階は、相手が「意思決定をする」という段階です。問題もあり、詳しくなって、でも決められないということがよくあります。
一つは優先順位です。今はこの問題よりももっと大きな問題がある、というケースでは意思決定はできません。
もう一つは、詳しくなったがために何を決め手にすればいいか分からない、というケースです。こうしたケースも非常に多いのが実際です。
そこで、意思決定のための基準を創り、提案することが重要になります。もし==なら自社サービスがいいですよ、もし~~なら止めておきましょう、という形で伝えていくことで相手がしっかりと考えてくれるようになります。
そしてもう一つが、なんとなく決められない、というものです。こうしたケースに対しては希少性でアプローチするのが有効です。例えば時間限定で値下げをする、販売個数を限定する、という形です。
これにより、「早く決める」ことのきっかけができます。
まとめ
いかがでしょうか?顧客分類のスキルが身につくことで、相手に合わせた情報提供、セールス、そしてリードナーチャリングが可能になることが分かって頂けたと思います。
しっかりやれば効果は必ず現れます。しかし、面倒です。仕組みにするために、まずはメルマガ、そして営業との接触機会の増加を計りましょう。そしてそれらを、できる限り効率化、フォーマット化し、継続できる状態を創ってください。
上記の概念をより詳しく解説し、かつ現場で使えるようにするための研修・コンサルティングを用意しています。
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