新卒でNPO法人に入社したいんです!と言う学生がいると、
NPO法人の方は「よく考えたほうがいいよ」といさめます。
今日は、そのNPO法人に新卒で入社することの覚悟や、どのようなNPOが新卒を受け入れているのかについて考えていきたいと思います。
「よく考えた方がいいよ」の本当の意味
君は、人のために仕事がしたい。と考えてNPO検討したんだよね?
人のために、という言葉は、多くの方が使うでしょう。
しかし、ここでいう人のためには「救済」と、その環境を生んでいる「社会を変える」という強い意志が求められています。
喜ばれたい、嫌われたくない、というレベルではなかなか通じません。
給料は生きるギリギリの生活だけど大丈夫?それに耐えるだけの想いはあるの?
NPOは、非営利団体です。もともとはボランティア活動をしている集団に対して法人格を与えるというところからスタートしているものですから、一般企業と違い、「利益を拡大して、社員に還元しよう」とはなかなかなりません。
それでも、自分よりも他人のために、と思えるのかがだ重要です。
人のために生きるだけの原体験はあるの?
想像の世界ではなく、自分がやりたいと思えた「きっかけ」や「過去の経験」が求められます。
理由は、その人がNPOが変えようとする社会の理不尽さを知っているかどうか、を知るためです。これを持たない人は、現実を知ったときに出ていってしまう可能性があります。
NPOは教育研修制度も無いけど大丈夫?
利益よりも目の前の活動、というのがNPOです。研修がまったくないわけではないですが、のんびりと人材育成に時間とお金をかける余裕がないところがほとんどです。
君は即戦力なのかな?
上記のような事情から、「即戦力」が求められます。
もちろん、貢献できるフィールドは様々でしょうし、経験がなくとも行動力でカバーできることもあると思います。
しかしながら、仮に熱意があっても、本当に通じるかは別物です。周囲に聞ける人もいないかもしれませんし、自分で考えて作っていく必要がある環境かもしれません。
NPO法人の場合、支払われる給料が安いケースが多いです。
※正確にはNPO法人ですので、稼ぐ目的ではないため、赤字ギリギリで運営している団体が多い
ですから、その事業や社会性に対する想いが無ければ続けられません。
また新卒採用で学生を受け入れても教育する余力もありません。
ですから、入社前にスキルや実績が求められます。
働く時間もかなり長時間の団体もあると聞きます。
そうした点をしっかりと確認した上で受け入れを行いたいのです。
どんなNPO法人が採用をしているのか?
新卒採用を行っているNPO法人は下記のようにありますが、
入社は狭き門であることは間違いありません。
認定NPO法人カタリバ
https://www.katariba.or.jp/
高校生の心に日を灯す「カタリ場」や震災で勉強場所を奪われた子どもたちに学習機会を提供するコラボスクールを運営するなど、教育支援事業を手掛ける団体です。
学生インターンが多く、とても活気にあふれており、大学在学中に関わりそのまま就職する人もいるようです。私も間接的にカタリバに関わった事はありますが、あのような規模のイベントで、高校からしっかりとした収入は得られているのだろうか?ボランティアで参加してくれるスタッフを集めてマネジメントすることは相当大変だろうと感じました。
認定NPO法人フローレンス
http://florence.or.jp/
「Newsweek世界を変える社会起業家100」にも選出された、駒崎弘樹さんが代表理事を勤める保育系NPOです。
法人設立から15年を迎え、2014年度から事務局スタッフの新卒採用もスタートしています。
病児保育事業を基幹に、2015年4月から導入される「子ども・子育て新制度」の小規模保育事業のモデルとなった「おうち保育園」など子どもと子育てを取り巻く課題解決に挑む団体です。
駒崎さんの著書「働き方革命」は、これからの「働き方」を考える上で大変参考になります。
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NPO法人ETIC
数々のソーシャル・アントレプレナーを輩出してきたのが、NPO法人ETIC.です。
先に紹介したフローレンス駒崎さんやカタリバ代表の今村久美さんもETIC.の社会起業塾に参加していたというから、その力はとても大きいと感じます。
法人設立から25年を超え、地域の起業家人材を育成・排出するなど活動はさらに広がっています。
若いうちに、たくさんの起業家人材に出会える職場環境はとても刺激的でしょう。
元社員の方とお仕事をさせてもらったことがあるが、夜遅くまでメールが返ってきていたことを覚えています。プロジェクトやイベントなどが重なるとかなり大変な時期もありそうです
まとめ
皆さんは、そのような想いを持って入社することは出来るでしょうか?新卒採用で参加する前にまずは、ボランティアとして参加してみて、どのような活動なのかを理解を深め、インターンシップをさせてもらう事をお勧めします。その中でどうしても入社したいと思えれば、お願いをして面接を組んでもらうというのが一番確実な道のりのように感じます。
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