営業研修の資料(教材、テキスト)は、研修で使って終わりではありません。受け取った社員が、その後も自分の業務のために何度も見返すものになっている必要があります。
多くの企業では、研修資料は研修で使われて終わりです。その結果、研修で習ったこと、教わったことを、大半の社員が忘れていきます。これでは研修効果が出るはずがありません。
今回は営業の「テレアポ」における営業研修の資料(教材、テキスト)について考えていきたいと思います。
何度も読み返され、営業に教えたことがしっかりと浸透していくためにも、何度も見返す価値があるテキスト、見返すインセンティブがあるテキスト、見返す必要性のある仕組みを考えて頂ければと思います。
見返す価値があるテキストとは?
営業にとって、見返す価値があるテキストとは、どんなものでしょうか?
それは「見返すことが成長・成果に繋がる」テキストです。
具体的には、トークを覚えて終わりではなく、自分のアポの取れ方や話しやすいトーク、話しにくいトークを振り返りできる、新たな知識があるといいですよね。
新しい事例、新しいトークができたら、スムーズに全体に共有し、他の社員にも理解して欲しいですよね。そのためにも、差し込み式のテキストになっていると良いです。新たな情報を自分のファイルに追加していく。その都度、パラパラと見返すことが可能です。
※※詳しくは「研修資料の作り方 基本編」でも記載します
新たな知識、という点ではテキスト内に「難易度別」のページを設け、徐々に難関設問に答えていく、または難解知識を仕入れていくような形式にすると良いでしょう。
また、テレアポ力でいえば、「語彙」が非常に重要です。最初は簡単な言葉からスタートし、落ち着いた話ができるようになってきたら、年齢と経験相応の言葉づかいや、業界ごとのキーワードを使えるように資料やテキストを通じて学んでいきましょう。
こうしたテキストを作ると、テレアポを定期的に見直すことになります。また、アップデートをしやすい資料と言えるでしょう。
ただ、それでは「やる気のある人しか、やらない」という声も聞こえてきます。
そこで、「やる気」に関連した、インセンティブがあるテキストについて考えましょう。
見返すインセンティブがあるテキストとは?
「やる気」に火をつけるための報酬のことをインセンティブと言います。もう少し難しい言い回しをすると、意欲向上や目標達成のために与える刺激、です。人が行動する際の欲求を刺激し、引き出す誘因となるものです。
例えば、営業組織であれば、成績や成果に応じて「報奨金」を設けている会社が多いです。この「報奨金」があることで「おカネがもらえるなら、頑張ろう!」となります。こうした刺激がインセンティブです。
ただ、インセンティブはお金だけではありません。研修資料を読むだけでお金を上げられる会社なんてありません。
では、何がインセンティブになるのでしょうか?私は「承認」「賞賛」をインセンティブにすることをお勧めします。
「承認」とは「相手の存在や、相手に表れている変化、成長に気づき、それを言語化して相手に伝えること」です。ですから、「読んでいる」ということを認めてあげる、テレアポトークを横で聞き、テキストを読み返すことを勧めたり、テキストを使っているねと伝えたりすることが該当します。
更に、それを「賞賛」します。しっかりと振り返りをしている社員のことを全体の前で褒めましょう。そうすると、それが「良い行動」としてインプットされ、周囲の社員の行動を変えていきます。
それでもテキストを使わない、という社員が出てくるかもしれません。そのような場合は、「見返す必要がある」状態にしていきましょう。
見返す必要性のある仕組みとは?
簡単に言えば、見返すという行動が組み込まれたルールや制度を作るということです。
お勧めは、定期的なロープレ大会やテストです。基本スキルの徹底という意味で、テキストにある基本スクリプトをスムーズに話せるか、テレアポの重要な点を整理して話せるか、を試します。
もっとお勧めなのは、テキストの見直しを社員にさせることです。自分が使って違和感がある箇所を修正させるようにすることで、テキストを日常的に見返すことになります。テキスト内容も定期的にアップデートされますから、陳腐化もしません。
アップデートしたものを先輩にテストするものいいですね。
テストも、別に正解があるわけではないでしょう。しかし、「押さえるべきポイント」はありますよね。そのポイントはどこか、を何度も探させる、覚えさせることで、自分の仕事はそのポイントに沿っているかを考えることになります。
または、スクリプトの穴上のプリントを作り教材として配布し、テキストを見ながら作成させるというのも効果があります。
まとめ
いかがでしょうか?
営業研修の資料、教材、テキストを作成、見直しをする際のポイントをご紹介しました。
- 見返す価値があるテキスト
- 見返すインセンティブがあるテキスト
- 見返す必要性のある仕組み
ぜひ、良い営業研修にし、社員の成長を促進させ、業績アップしてください。
この3点を既にやっているが研修が成果に繋がらない、という場合は人事制度や文化上の課題も考えられます。分からないことなどありましたら、お気軽にご相談ください。
また、上記の概念をより詳しく解説し、かつ現場で使えるようにするための研修を用意しています。
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