今回のテーマは「検討します」というお客様の言葉についてです。
営業をしていると、かなりの確率で「検討します」と言われますよね。この言葉の後どうなるかというと、高い確率で「何も検討せず、売れない」です。
お客様も、直接断るのが嫌だから濁しているか、商品についてしっかり理解できていないか、ぼんやりと課題はわかってるが真剣ではないか、、、
いずれにせよ、多くの場合は真剣ではありません。
そこで今回は、こうした「検討します」をしっかりと契約に繋げていく、あるいは「検討します」と言われないテクニックを紹介します。
商談のゴールはどこ?
営業から見れば、商談のゴールは契約です。ですから、契約を頂くために情報収集、提供はもちろんのこと、関係性を深めたり、時にはグチを言い合ったり、、、ということもありますよね。
でも、お客様から見れば商談のゴールは契約ではありません。多くのお客様にとって、商談は情報収集の場です。世の中にある様々なソリューションを知る、細かな性能や事例を理解する、自社に適応できるか考える・・・ということがお客様の狙いです。
そしてその検討の結果、「購入により成果がでそう、会社が変わりそう、必要だ、これがいいんだ!」と思えたら購入に至ります。
営業が「契約をもらいたい!」と思って商談に臨み、その匂いをプンプンさせてしまうと、お客様は「お金を取られてしまう」と警戒します。
よく喫茶店で営業をしてる方を見かけますが、その多くがテンポよく話し、相手の返事にかぶせて応酬話法を繰り出します。はたから見ると、ああそれでは相手に引かれるよなあ、、、と思ってしまいます。
ですからまずは、「売りに来た!」という匂いを消し、「情報提供・情報収集に来た」という態度で臨みましょう。売り込まれる、という雰囲気を消していくと良いです。
お客様の「検討します」の意味とは
では、お客様が「検討します」と言ってくれたらどうでしょうか?営業を始めたばかりの人は舞い上がりますが、多くの営業は「あ、断られたな」と思います。検討しますは断り文句として使われます。
もちろん、実際に検討してくださる方もいます。
例えばコーチングのタイプ分類で、サポーターに該当する方は、身内や信頼できる人の意見を聞いて意思決定する傾向があります。そのような方にとっての「検討します」は、「○○さんと話して決めよう」なのです。
※タイプ分類については、詳細は営業研修で取り入れると効果大!「人のタイプ分類」で商談を円滑に進めるスキル(コミュニケーションの4分類)
もちろん、サポーターに限らず、こうした「社内で相談したい」または「家族と相談したい」という気持ちは多くの方が持っています。
他にも、「他社製品と比較したい」ということを考える方もいます。他社との商談アポが入っていてその話を聞いてから決めよう、というものです。
ですから、一概に悪いわけではないのです。大事なことは、本当に検討する気があるか、という点と何を検討し、どう決めるのか、ということです。
しっかりと検討してもらうためのテクニック
では、どうすればちゃんと検討してもらえるのでしょうか?結局その検討がなされずいつの間にか買う気がなくなっていることがよくありますよね。
そこで、検討を具体的に進めるテクニックを紹介します!
関係者のパワーバランスとポイント聞く
顧客が検討する場合、誰と何を検討するのかを確認しましょう。
大事なことは、最終的な決定者は誰かです。法人であれば上司(部長や社長)が、夫婦であれば多くの場合は夫が決定権を持つと言われています。ですが、それを前提に商談を進めてはいけません。
本当に上司が決めるのでしょうか?本当に夫が決めるのでしょうか?ここを間違えると商談が進まなくなります。しっかりと確認をしましょう。
自動車販売店で営業コンサルティングをしていると、実は夫婦で決める際に妻側が決める、或いは祖父母が決めるというケースが多くありました。多くの営業は、何も考えず夫に名刺を差し出し、夫に話をします。妻が決めるという夫婦だった場合、妻の要望は卓上に現れず、家庭に持ち帰って「あそこではない」と言われるわけです。
法人でも同様のケースがあります。最終決定は社長ですが、その社長は社内の関係部署の意見を聞いて決めていることもあるのです。ですから営業は社長だけでなく、その意見を聞く先へアプローチしなければいけません。
とはいえ、これを教えてくれないというケースもあるでしょう。
その時は、次のテクニックを使います。
買う気持ちはどれくらい?を立場を変えて聞く
立場を変えて聞く、というのは「個人的には買いたいと思えていますか?」と聞くことです。この「個人的には」がポイントです。この聞き方をすることでその人個人としての意見と、立場としての意見(部長、夫等)が分かれてきます。
迷われている、という場合にはぜひ点数を聞きましょう。「お気持ちは、今すぐ!ではないんですね。仮に点数にするなら10点満点で何点ですか?」と聞き、その点数に合わせて会話をしましょう。「7点」と言われたら「ではあと3点は?」と確認し、追加の情報収集、提供を実施します。
買いたい、という返事がきたら「テストクロージング」に移りましょう。そこで「でもなあ」となれば他の関係者や懸念点があるということです。
テストクロージングで、「検討します」の前に検討モードに入る
テストクロージングとは、実際の契約行為を意識させることで、相手に真剣になってもらうテクニックです。
例えば、相手が「いいね」と言ったら「ありがとうございます。では・・・」と契約書を取り出します。もちろん、ここで契約をして頂けるならOKです。
実際は、大抵の場合、ここで相手が止まります。ちょっと待って、、、と本気で考えて頂くことが目的です。自社(自家庭)で買う余裕があるのか、本当に効果がでるのか、疑問が出てきます。
この疑問を解消することで相手の意思決定に繋がるのです。この検討をしてもらわなければ商品サービスは売れません。売れる営業とそうでない営業の違いはここにあります。ここからが営業行為、といってもいいくらいです。
とりあえずやってみませんか?話法
相手が迷っている時にぜひ使って頂きたいセリフが「とりあえずやってみませんか?」です。相手の疑問を解消しても、論理的に何でも決められるわけではありません。分からない、不安だ、という状態は続くのが普通です。
そうした時に、特に理由もなく「とりあえずやってみませんか?」と言うのです。「そうは言っても●●の反対もあるかもしれないです。」と言われても、「そうですよね。。。。ま、一度やってみませんか?」と言うのです。
日本語として変な感じはしますが、会話だとあまり気になりません。意外とこの一言で踏ん切りがつく方も多くいます。ぜひ使ってください。
まとめ
いかがでしょうか?「検討します」を断り文句ではなくすための色々なテクニックを理解いただけたと思います。ぜひ取り入れてみてください。
もちろん、これを活用したからといっても商品が悪ければ売れません。また、売った後フォローしない、というのも当然NGです。誠意ある仕事をしましょう。
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