よい人材を採用するには、特に中堅企業、中小企業が、営業で成長できる人材を採用するにはどうすればいいでしょうか?
こちらの記事(営業が成長する会社 営業が成長しない会社の違い)に記載した通り、どのような会社なのかということも重要な要素ですが、今回は「成長する採用候補者」について記載をしたいと思います。
研修で個々人の能力を伸ばすことも重要ですし、会社の戦略やマーケティングによって売れやすい状態を創ることも重要です。そして同様に、企業方針から見て優秀な人材を採用することも重要です。
営業において言えば、
新しい環境・商品・業界・ビジネスモデルであっても、前職と変わらず売れる人
を採用したいですよね。
ですが、売れている営業は現職企業が話さなかったり、募集をしても候補者の絶対数がいなかったりで、なかなか採用が上手くいきません。
そこでお勧めなのが、「営業未経験者」の採用です。
「他職種から転職してきた」「正社員として働いたことがない」という方でも十分に成長は可能ですし、もしかしたら金の卵がいるかもしれません。
新卒採用をし、そこからトップセールスが生まれ続けているような会社は、この「未経験者採用」が上手くいっているといってもいいでしょう。
あなたの会社の「営業の特徴」は?
成長する営業候補者を採用するためには、そもそも自社の営業に求められることを採用する人が理解していなければいけません。
営業という仕事に対して固定的なイメージで見てしまっていると失敗します。まずは自社の営業の特徴を理解し、そこからターゲットの絞り込みをしましょう。これができない会社ほど、「成長意欲が高い人募集!」とか「体育会系が欲しい」という言葉に終始します。
営業上の特徴は?
ここでの特徴とは、採用に関連する要素のことを指します。
例えば売り物や売り方です。単価が安いものを、たくさん売っていく必要があるのか、それとも高額なものを、じっくり時間をかけて売るのか。
他にも、顧客は個人か法人か、技術に関する専門知識が必要か不要か、新規営業か既存顧客を回るのか、顧客の業界慣習、関係者の数、コミュニケーションの取り方やタイミングなどが重要な要素として挙げられます。
評価や給料なども重要な要素ですが、先に挙げたものと比較すると「企業内で変更が容易」と言えます。給与は採用における重要な要素ですが、他社と差別化するとなると純粋に上げるしかなくなりますので、まずは特徴から考えることをお勧めします。
その時に求められる「成果につながる」行動は?
次に考えることは、営業上の特徴を基に、求められる行動を具体的にしましょう。その具体的な行動をとれる人が採用候補者になります。営業経験者であっても採用したらガッカリ・・・ということになる要因の多くはここにあります。
多くの採用広告、求人票では「成果につながる行動」が特定できていません。これを特定することが何よりも重要です。
例えば「新規顧客に対し、単価が安いものをたくさん売っていく」仕事だとします。「とにかく毎日電話をする」という行動があるとします。
ここで検討をやめてしまうと、「行動力がある人」というキーワードになってしまい、採用は失敗です。「行動力」では言葉が抽象的過ぎます。ターゲットが勘違いしてしまいます。
更に検討してほしいことは、毎日電話をすれば、本当に成果が出るのか、ということです。
新規営業ですから電話は必須でしょう。しかし、リストアップを個人でするのであれば、「リストの質」が成果に影響するはずです。そうすると、電話の量よりも、質の高いリスト作りができる人の方が成長するかもしれません。
または、リストの質は一緒で、アポの取りやすさは一緒だとすると、勝負は商談の場面です。ここでヒアリングが上手いと成果が出るのか、顧客と親密な関係性を創ることが大事なのか、それともスピーディーにクロージングすることが大事なのか。
こういった点がポイントになるなら、性格的要素が大きいはずです。
成果につながる行動を特定できなければ、成長する営業人材を見つけることはできません。
全部重要、という結論は絶対にNGです。それでは優先順位をつけられなくなり、スーパーマンが欲しい、という採用になってしまい、失敗します。スーパーマンのような人材は確かに存在しますが、採用力が非常に強い企業に持っていかれます。
採用しやすい候補者を育成することで、スーパーマン人材がいなくても一定の業績を上げることは可能です。ぜひ皆さんの会社にとってのいい人材を明確にしましょう。
営業として成長する人材を募集する際のキーワード
ここからは、概念論ではなく具体的なキーボードをいくつか紹介します。採用活動をする際のヒントにしてください。
ただし、先に述べたように自社の営業の特徴が特定できていることが重要です。そうしないとキーワードの威力も半減です。以下、性格や行動、環境によって使いやすい例をお伝えします。
★理想を持つことが重要、情熱や意欲が重要
情熱的、志の高い、夢のある、野心的、エネルギッシュ、他に誰がやる、絶対に
★競争の激しい環境、競合が多い
闘志、切磋琢磨、互いに競争し合う、鍛えられる、ハード、ライバル、他社よりも早く
★最後まで粘り続けることが重要
一所懸命な、妥協しない、ひたむきな、逃げない、真面目な、責任を取る、誠実
★相手を思いやる、あたたかな対応が大事
寛容な、やさしい、アットホームな、面倒見、相手のために、嘘がない
このように考えることで、候補者に訴求するキーワードも変わってきます。
営業として成長できる未経験者の特徴
最後に、成長できる未経験者の特徴を紹介します。原則は自社にとって成長しやすい人材を採用することですが、世の中にいる「成長意欲の高い人材」「環境適応力が高く、能力を伸ばしやすい人材」を見極めるポイントを知っておきましょう。
自分にとって何がストレスになるかをわかっている
自分にとってのストレスを理解している人は、ストレスのかからない工夫ができます。その結果、仕事に前向きになり、仕事を楽しみながら過ごすことができるようになります。
言われたことを守る
会社が適切な指示をしていれば、こういう人は愚直に行動し、守ることで成長していきます。言われたことをやればいい、という人もいるので、しっかりと成果という目的と行動をリンクさせ、行動ではなく目的にフォーカスをさせましょう。
高い目標に向けて真剣に努力した経験がある
こうした人は、高い目標を目指すことや、その途中に困難があることを当たり前のように考える傾向があります。
仕事で要求するレベルが高くても、そういうものだ、と思える方が多いです。
なお、高い低いは、個人の主観も大事ですが、ここでは世の中一般で考えると良いです。なぜなら、競合は自分ではなく他社だからです。外部にライバルがいる状態、外部で評価される状態を当然と思えることがポイントです。
自分の大好きなことに寝食を忘れて没頭できる
集中力がある、ということの証明になります。仕事を好きになってもらえると強いですよね。そのための企業の働きかけ、情報提供が重要です。
お金は手段だと思っている
お金を働く目的の第一に据えると、お金のために残業する、転職するケースが出てきます。お金は「結果」であり、「自己責任」と考えられる人の方が良いでしょう。
偏見がない
仕事の在り方や、職種名に偏見がない人ほど、素直に色々なことを吸収します。営業に関してですと「売ることは悪いこと」と思っている人ではダメですよね。
皆さんの会社における仕事の成長を阻害するような偏見は何かを見極め、そうした偏見がない人を探しましょう。
以上が成長しやすい人材の特徴です。もちろん、全員がそうというわけではありませんが、参考にはなるはずです。
まとめ
いかがでしょうか?中小企業、中堅企業においてよい人材を採用することは命綱です。せっかく予算を投じるなら、いい人材を採用しましょう。
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