営業研修に限った話ではないですが、研修後に「どうやって理解度を測るか」というのは大きな問題です。実際、多くの企業で「研修したけど、結局使わなくなった」という方がいるはずです。
しかし、実際研修が不要かというと、そうではありません。現場で、実践のみで教えると、よほど理解度が高く応用力がある社員だけで構成されていない限りは対応が出来ず、結局社内のノウハウが高まりません。
ではどうすれば、研修内容を定着させることができるのでしょうか。
その答えの一つが、課題を出す、ということです。
そこで今回は、営業研修における課題の出し方、添削の仕方についてご紹介します。ぜひ貴社の研修内容のブラッシュアップにつなげてください。
営業研修の課題について
まずは営業研修でどのような課題を出すことができるでしょうか。営業研修というとロープレが行われますが、それ以外にもやり方があります。
課題の内容と形式
例えば、知識の研修であれば、選択式や記述式のテストを作成してください。自社商品理解、技術理解等、基本となる知識はしっかりと身に着けてもらいましょう。
次がスキル系です。例えばヒアリングの研修を行い、BANT-Cを教えたとします。これが「出来るようになる」ということがスキル研修です。
スキル研修の場合には、ロープレまたは実施レポート作成が有効です。ロープレの際には、顧客役の性格と状況設定をしましょう。また、出来ればビデオ撮影をし、その撮影をしながらアセスメントをすることが有効です。
実施レポートは、実際の顧客に対してBANT-Cを聞いてくる、その結果やできたことや難しかったことをレポートにまとめる、というものです。最もリアリティが高いものになりますが、実践の数が限られるのが難点です。
課題の出し方
ロープレにせよ、レポートにせよ、短い期間で「何度も行う」ことが重要です。
遅くとも、研修終了後2週間以内の提出(実施)としましょう。できれば3日以内です。土日など休日を挟むのであれば、休日前に行うことが重要です。時間が経てば経つほど、記憶は薄れていくものです。なるべく早く、がポイントです。
ロープレであれば課題のレベルを分けて、クリアするごとにレベルアップしていくようにすると、ゲーム性もあり楽しみながら進めることができます。
レポートにする場合は、少なくとも5社の営業先で実践させましょう。担当顧客が1社しかない場合、何度もミーティングをさせるなどする必要があります。繰り返し行うための仕掛けが重要です。
知識系のテストの場合には満点になるまで追試がお勧めです。できれば〇×ではなく、文章形式にしましょう。運よく合格するのではなく、理解しているから合格するという状態にしなければテストに一喜一憂することになってしまいます。
添削の仕方について
では、課題をだしたらどのように添削すればいいのでしょうか。そのポイントを紹介します。
知識テストの場合
予め、文章に入っていなければならないキーワードと、論理的な順序を決めておきましょう。その上で合格基準に達している文章を回答例として作成しましょう。
添削する人は、書いてある内容だけでなく誤字脱字も含めてチェックします。
ロープレの場合
誰がロープレ相手をするかによって、パターンを変えましょう。研修参加者同士で実施する場合は、録音録画することです。その録画したデータを上司に提出、または上司が同席し常に見ておきましょう。
添削の観点はあらかじめ決めておきますが、ロープレの場合、話の流れから「実践できない」ことも出てきます。ですから、必須項目と、できればやっておく項目に分けてチェックをし、必須項目については「~~という単語がでる」「~~という対応になる」というように、顧客側の変化をポイントにするとよいでしょう。
この合格ラインをどれだけ顧客視点で決められるかがポイントになります。
その上で、振り返りを必ず行います。ビデオを見ながら振り返りをし、この時どういえばよかったか、他にすべきことはあったか、という観点でアドバイスをしていきます。顧客役も一緒にアドバイスをしていくとよりリアルになります。
顧客先での実践レポートの場合
レポートの場合は、1社につき1枚のレポートとさせます。その上で、全てを総合したレポートを作成させましょう。
実践できていたかどうかは、レポート上ではなかなか分かりません。ですから、添削はレポート上でするだけでなく、レポートを基に本人と話し合うことが重要です。
必ず営業進捗が分かる資料を手元に準備し「このスキルが出来ているのに、実績がでていないのはなぜか」など具体的に確認しましょう。
レポートに一度まとめることで本人の思考の整理になります。添削者も事前に読み込みをし、気になる箇所はチェックしておきましょう。
添削の注意点 h3
添削の際には、以下を守るようにしてください。そうしないと、せっかくの研修効果が薄れてしまいます。
- 模範解答や回答例を先に準備しておくこと
- その時のノリや感覚で採点しないこと
- 添削者が複数いる場合、添削者の目線のすり合わせを行うこと
- 合格基準に満たない場合のフォロー方法、方針を事前に決めておくこと
- 提出されたデータやレポートは一定期間保管すること
- 提出されたデータやレポートは直属の上司とも共有すること
まとめ
いかがでしょうか?自社で営業研修をする際には、上記を参考に課題を作成、実施させてください。
上記の概念をより詳しく解説し、かつ現場で使えるようにするための研修・コンサルティングを用意しています。また、研修後のテスト作成サービスも行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
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