CRM(Customer Relation Management)の基本的な考え方、SFAとの違いなどは、以前こちらの記事で紹介させて頂きました。
今回は、具体的にどのようにCRMを選べばよいのかを伝えます。
CRM導入は何かと考えることが多いですよね。「入力が面倒そう」「社内から反対されないか」「導入したはいいものの、活用できなかったらどうしよう」「エクセルで十分だろう」などなど色々と考えてしまうものです。
しかし、顧客ニーズの多様化、競合サービスの多様化を受け、スピーディーに変化できることも重要な経営要素の一つになりました。その一環としてCRMは欠かせないものになりつつあります。
では、何をどう検討すればいいのでしょうか?今回はこの点について解説をいたします。
現在自社が顧客に関連して「管理」しているものは?
まずは現在自社内でエクセルを含めてシステム管理しているもの、紙で管理しているものについて以下の点で洗い出しましょう。
何を管理しているか?
売上の管理なのか、納品スケジュールなのか、納品物なのか、会社によって管理するものはたくさんありますよね。まずは自社が「何を情報として保存しているのか」を理解しましょう。
ツールの管理方法は?
購入したシステム、エクセルで作成した、アクセスで作成した、紙で台帳をつけている、などどのような方法で管理しているかを洗い出しましょう。もしかしたら、営業の頭の中にある、ということもあるかもしれません。
管理対象のなかの、共通項は?
様々なものを管理していると思いますが、重複して管理しているものがないかを調べましょう。
例えば売上管理と納品管理を、別々のツールでしていたとします。この時、「顧客名」「顧客コード」「住所」はどちらでも含まれている、という重複した状態になりますよね。これが共通項です。
この共通項が多いと、システム化した時に楽になると考えやすくなります。
管理は必要か?
現在管理している様々な情報のなかで、本当に活用しているもの、実はいらないものをより分けましょう。不要なものをシステム化しても、意味がありません。後々の使い難さのもとになってしまいます。
どうなったら、業務効率が上がるか
CRM導入をするなら効率アップをしたいですよね。情報が、どんなタイミングでどう管理され、どう使われれば効率的になるのかを、先に、ある程度考えましょう。
これがないと、検討の際に「機能がいい」となってしまい、効率が下がってしまうこともあります。
どうすれば売り上げが上がるか
同じく、売り上げアップに貢献するためには、情報がどんなタイミングでどう管理され、どう使われればいいかを考えましょう。
もしかしたら効率的な運用とは少し違う使用フローになるかもしれません。その場合はどちらを優先するか決めてください。
CMRの検討の際のポイント
では、ここからはCRM導入に向けて検討するポイントを記載します。
CRMの機能は十分か
自社が「どのように使いたいか」に応じて必要な機能と、使うタイミングが変わりますよね。それが実際に使えるのかどうかを検討します。
例えば、営業マンが訪問後、帰りの電車内で入力するようにしたい、とします。その場合、クラウド接続やスマートフォンでの入力ができることが必須になります。
この考え方が逆ではいけません。スマートフォン入力ができるからといって「じゃあ、外出中に入力しなさい!」というフローではダメなのです。
営業マンが車で回っている場合は、運転中はスマートフォン使えませんよね。また納品ツールを持ち歩く場合でも同様で、荷物が多いから操作できない、ということもあります。
自分たちが、どう使いたいかを先に決めてから機能を見ていきましょう。
使いやすさは十分か
システムは使いやすくなければ絶対に社内で使われません。CRMを導入しても、結局エクセルで作成してただアップロードしているだけ、という企業もあります。
入力箇所が多い、TABボタンで移動できない、半角全角の縛りがある、など、細かなところで使いやすさは決まります。
最近では、導入時に無料で試せるものも増えています。不安であればそうしたものを活用してみましょう。
2人以上の営業に意見を聴く・試してもらう
使い勝手、使いやすさは営業の声を聴くのが一番です。しかし、特定の意見に偏らないためにもタイプの違う2人以上の営業の声を聴きましょう。
売り上げが上がっている営業のうち、几帳面でITリテラシーの高い営業とそうでない営業の双方に聞き、使い方、使い勝手を検討してもらいます。
ゴールは「どうすれば自社の営業効率が上がるか、売上向上になるか」です。現状よりも効率的になる可能性がない、のであれば導入はやめましょう。
導入コストは問題ないか
予算の取り方は会社によるかと思いますが、営業効率化を狙うなら、その効率化された時間価値に応じて予算を考えてもいいでしょう。
カスタマイズを重ねれば重ねるほど、予算は膨らむものです。ですから、本当に必要な機能なのかどうかをしっかりと検討し、同時にその効果見積もだしておく必要があります。
また、同じようなカスタマイズでもベンダーによって値段が違います。何を基準に見積を出しているかを同時に確認しましょう。
運用コストは問題ないか
導入だけではなく、運用に必要なコストも計算しましょう。
昔は自社でサーバーを用意することが必要でした。サーバー料金、エンジニア人件費がかかるのが当然のものでしたが、最近はクラウドになりそうしたものはかからなくなりました。
最近はアカウント(ID)ごとに料金が追加されるという形態が一般的になっています。営業の人数分アカウントが増えますから、採用計画、配置計画と照らし合わせて検討する必要があります。
他システムとの連携は十分か
CRMは「経営のためのシステム」です。ですから、他の複数のシステムと連携させる必要が出てくることが往々にしてあります。
例えばマーケティング、SFA、納品システム等、自社で既に使っているシステムとどう連携させるかは効率化の重要なポイントです。
この連携が自動でできればいいですが、
- 夜の決まった時間にデータを同期する
- 一度CSVに落として別システムにアップロードする
- 同じ情報を複数システムに入力する
などの状況ですと、効率化できないばかりか、システム導入のせいで業務が増える、場合によってはミスが増えることもよくあります。
ベンダーのサポート体制は十分か
利用方法の案内がちゃんとある、電話対応してくれる、などベンダーによってサポート体制に差があります。また、料金も異なるのが実情です。
何かトラブルがあった際にすぐ対応してもらえるのか、対応の範囲はどこまでか、対応に追加料金はかかるのか、などを確認しましょう。
まとめ
いかがでしょうか?機能に目がくらんでしまうものではありますが、冷静に導入し、成功に結び付けるためにも、今回紹介したチェックポイントに沿って検討してみてくださいね。
ぜひ、貴社のCRM活用が推進され、売上、顧客満足度の向上に繋がることを願っています。
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