エース人材になるための3つのポイント

こんにちは、Trainability 営業・組織コンサルタントの新井です。
今回は、「エース人材」と呼ばれる人と、そうでない人の経験の差についてお話したいと思います。

営業組織には、必ずといっていいほど、「エース」と言われる人がいます。
エースと呼ばれる人たちは、その名の通り、様々な仕事をこなします。
通常の何倍もの売上をあげることに象徴される、圧倒的な成果を出すような人たちがエースと呼ばれます。
今回は、エースと呼ばれる人の経験について、以下のポイントで普通の人材と比較してお伝えしたいと思います。エースを採用するのではなく、今いるメンバーの中から育てることを前提に読んでみてください。
①成功体験と失敗体験を積極的に創り出す
エースと呼ばれる人は、自信に満ちていて堂々と仕事をしているように見えるものです。
その自信は、根拠のない場合もありますが、自分の仕事を通じた体験に裏付けられている場合が多いです。

その体験は成功か、失敗かは問いません。
失敗体験を、意図的にたくさん積み上げているかのように見える方もいます。

こうした体験が何に繋がるかというと、「意図的に起こしたアクション」がどんな結果を生むのか、
そのパターンを積み上げることができるということです。
そのパターンが増える事で、どんな場面でも動じずに、堂々と仕事ができるようになります。
②修羅場体験を持つ
修羅場体験とは、成功体験や失敗体験とは少し違います。
成功体験/失敗体験は「結果」に関するものです。修羅場体験は、そこに繋がる「プロセス」。

修羅場とは、ただのプロセスではなく、高い結果責任が要求されている状況下で、
結果を出すために、葛藤を持ちつつ時間を忘れて没頭している状態です。

高い結果責任が、真剣さを生みます。
納期に対して過敏になり、自分が今何をすればいいか、ちょっとしたパニック状態になります。

そのパニック状態では、葛藤が生まれます。葛藤とは、二者択一の選択を迫られている状態です。
大きなものである必要はなく、例えば資料作成でも、図の位置は右がいいのか、左がいいのか、という
レベルでも立派な葛藤です。

パニック状態ですから、どちらがいいのか中々判断がつきません。両方作り、見比べてみる。
※実は平常時でも判断がつくものではありませんが、短い時間内で悩みきることが大事です。

この体験をすると、通常よりも濃い体験となり、ノウハウ蓄積スピードが高まります。
さらに、この経験をベースに「これぐらいなら大丈夫」という自信が生まれます。
③要求水準を高く持ち、それを楽しむ工夫をする
上記の様な体験も、ただしているだけでは、辛くなってしまいます。
修羅場体験も、人によっては「こんなもんでいいか」と済ませてしまいます。

大事なことは、こうしたことを意図的に創り出すために要求水準を高めに設定する事、
そしてそこで潰れないために、楽しめるような工夫をすることです。

要求水準を高くすることで、「こんなものでいいか」が減っていきます。

楽しむ工夫とは、大きく分けて2種類です。
それはその体験を意味付けすること、そして楽しめる環境をつくることです。

意味付けの力はとても重要です。やりがい、モチベーションといったもののほとんどは
この意味付けの力から出来ています。
この仕事の成果は、自分にとってどんな意味があるのか、顧客への価値は、周囲との差は
そんなことを考えて、自分にとって有益なものとして捉えることが大切です。

楽しめる環境とは、オフィス環境やデスク環境などをストレスのない状態に整理し、
リラックスしながらも集中できる状態をつくることです。
家族の写真を貼る、整理整頓をする、逆にごちゃごちゃしている状態を作る・・・
自分にとってそこにいる時間を楽しめる工夫も実は大事です。
緊急性はなくとも、成果に繋がる、第二象限の工夫です。

以上が、私の考えるエース人材のための経験です。

ちなみに私も、前職ではエース人材でした。
(周囲がどう思っていたかは知りませんが、私にはその自負がありました)

入社して最初の1〜2ヶ月は、一向に成果が出ず苦しみました。
悔しくて泣きながら、上司と一緒に夜中までロープレをしたこともあります。
結果を常に求められる環境で、逃げられず、しかし結果に向けてとにかく行動しました。

その後、転機となる新たな上司との出会いがあり、顧客と自分の成果に思いきり向き合い、
もがいてもがいて、やっと成功体験を積むことが出来ました。それが、自分への信頼になります。

成功と失敗は、割合は1:9ぐらいだと思います。

体育会出身者を意図的に採用する方がいますが、その一つの目的は「修羅場体験」です。
「あそこまで苦しんだのだ、あのときを思えば大したことない」と思える体験があると、
とたんに道が開けてきます。

これを読んでいる方が、プレイヤーであれば、積極的にこうした環境、状況を創り出してほしいですし、
マネージャー、管理職であれば、こうした環境を演出してあげてほしいと思います。