研修効果を高めるための、営業研修の資料(教材、テキスト)の効果的な作成方法 訪問編

営業研修の資料(教材、テキスト)は、研修で使って終わりではありません。受け取った社員が、その後も自分の業務のために何度も見返すものになっている必要があります。

多くの企業では、研修資料は研修で使われて終わりです。その結果、研修で習ったこと、教わったことを、大半の社員が忘れていきます。これでは研修効果が出るはずがありません。

今回は営業の「訪問」における営業研修の資料(教材、テキスト)について考えていきたいと思います。

何度も読み返され、営業に教えたことがしっかりと浸透していくためにも、何度も見返す価値があるテキスト、見返すインセンティブがあるテキスト、見返す必要性のある仕組みを考えて頂ければと思います。


見返す価値があるテキストとは?

営業にとって、見返す価値があるテキストとは、どんなものでしょうか?

それは「見返すことが成長・成果に繋がる」テキストです。

具体的には、訪問時に気を付けること、服装のチェックポイントや、訪問前の準備のポイント、具体的な業界事例など、訪問する際に必要な情報が見返せるようになっていると良いでしょう。

また、CRMを導入しているのであれば、「CRMでどのような傾向が見えたら、数値が出ていたら○○を準備する」というようにすることで利用を促進することができます。

※CRM促進は「社員がCRMを入力しない!という時の5つのポイント」をご覧ください。

社員が多くの企業を訪問すれば、事例が増えていきます。事例ができ、全体に知らせたいという時にスムーズに進めるためにも、差し込み式のテキストになっていると良いです。

新しい事例、新しいトークができたら、自分のファイルに追加していく。その都度、パラパラと見返すことが可能です。上司がミーティングで配り、内容を確認しながらページ差し替えをする、メモの書き換えをするような時間を設けると確実です。
※詳しくは「研修資料の作り方 基本編」でも記載します

また、訪問およびその準備でいえば、「顧客理解、顧客の業界理解」が非常に重要です。顧客ごとの個別事情は研修テキスト入れるかCRM等で管理するかは企業によると思いますが、業界トレンドや業界の大きな流れは資料にした方が良いでしょう。

特に、特定の業界を相手にしているのであれば、必ず営業研修資料に、顧客業界のトレンド、状況を入れて、毎年アップデートしてください。

特定の業界を相手にすると、ルート営業の会社同士で競うことがよくあります。そして、一概には言えませんが、ルート営業の方は業界理解を「経験」で補う傾向が強いです。勉強し、顧客と深い話が出来れば、それだけで差別化が可能です。

次に、見返すことが「やる気」に繋がる、インセンティブがあるテキストについて考えましょう。


見返すインセンティブがあるテキストとは?

「やる気」に火をつけるための報酬のことをインセンティブと言います。もう少し難しい言い回しをすると、意欲向上や目標達成のために与える刺激、です。人が行動する際の欲求を刺激し、引き出す誘因となるものです。

例えば、営業組織であれば、成績や成果に応じて「報奨金」を設けている会社が多いです。この「報奨金」があることで「おカネがもらえるなら、頑張ろう!」となります。こうした刺激がインセンティブです。

ただ、インセンティブはお金だけではありません。研修資料を読むだけでお金を上げられる会社なんてありません。

では、何がインセンティブになるのでしょうか?私は「承認」「賞賛」をインセンティブにすることをお勧めします。

「承認」とは「相手の存在や、相手に表れている変化、成長に気づき、それを言語化して相手に伝えること」です。ですから、「読んでいる」ということを認めてあげる、テレアポトークを横で聞き、テキストを読み返すことを勧めたり、テキストを使っているねと伝えたりすることが該当します。

訪問であれば、承認するタイミングは「準備をしているとき」が一番やりやすいです。準備中の社員がテキストを開いていたら、それを指摘する。何か相談されたらテキストを開いて相談に乗る。こうした形で使いましょう。

 

更に、それを「賞賛」します。しっかりと振り返りをしている社員のことを全体の前で褒めましょう。そうすると、それが「良い行動」としてインプットされ、周囲の社員の行動を変えていきます。

それでもテキストを使わない、という社員が出てくるかもしれません。そのような場合は、「見返す必要がある」状態にしていきましょう。


見返す必要性のある仕組みとは?

簡単に言えば、見返すという行動が組み込まれたルールや制度を作るということです。つまり、資料の善し悪しではなく、会社としてのルール化が重要なポイントです。

お勧めは、定期的なテストや朝礼、ミーティング

を通じた資料の活用です。定期テストでは、先に紹介した「顧客業界のトレンド」をテストに出し、営業マンが「覚えている」「話せる」という状態を創りましょう。

また、情報は毎日新しくなります。そこでミーティングや朝礼で資料を開き、該当ページを使って「これに関連する情報がニュースに出ていた」「この分野の補助金が作られた」など、営業の知識アップデートの際に使用します。

できればそれを、営業社員に実施させましょう。毎日調べるクセを身に着けさせることが大事です。

もっとお勧めなのは、テキストの見直しを社員にさせることです。自分が使って違和感がある箇所を修正させるようにすることで、テキストを日常的に見返すことになります。テキスト内容も定期的にアップデートされますから、陳腐化もしません。


まとめ

いかがでしょうか?

営業研修の資料、教材、テキストを作成、見直しをする際のポイントをご紹介しました。

  • 見返す価値があるテキスト
  • 見返すインセンティブがあるテキスト
  • 見返す必要性のある仕組み

ぜひ、良い営業研修にし、社員の成長を促進させ、業績アップしてください。

この3点を既にやっているが研修が成果に繋がらない、という場合は人事制度や文化上の課題も考えられます。分からないことなどありましたら、お気軽にご相談ください。

また、上記の概念をより詳しく解説し、かつ現場で使えるようにするための研修を用意しています。

 

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