ベテラン社員をどう活かす?ベテラン社員活用戦略 御社のベテランはナイスなベテラン?残念なベテラン?

あなたの会社には、「ベテラン社員」はどの程度いらっしゃいますか?

会社によっては10年、20年たってベテランと呼ぶかもしれませんが、ベテラン社員と呼ばれる人には、「高い成果を出す」「周囲に良い影響を与える」ナイスなベテランと、残念ながら「会社にぶらさがるだけ」という残念なベテランがいます。

 

コンサルティングや研修をしていると、「うちにベテランは頼もしい!」という声を聴く会社もあれば、「うちのベテランは、所属しているだけで、、、早く若手に抜かれて危機感を持ってほしい」という声を聴くこともあります。

 

今回はベテラン社員の価値と課題ついて考えるとともに、「自社のベテラン社員は、どっち?」ということを考えて頂きます。

 

ベテラン社員の価値

まずはベテラン社員と呼ばれる方々が持つ価値について見てみましょう。

経験と知識の豊富さ

ベテラン社員は、組織内での長年の経験によって培われた幅広い知識を持っています。彼らの経験は、企業のさまざまな課題に対処する際に非常に貴重です。彼らは過去の成功や失敗から学び、その知識を活かして問題解決や意思決定を行います。この経験に裏打ちされた知識は、組織にとっての大きなアセットとなります。

リーダーシップとメンターシップ

ベテラン社員は、その豊富な経験と知識を活かしてチームのリーダーシップを担うことができます。彼らは自信を持って決断し、他のメンバーをリードして目標達成に向かわせることができます。また、彼らは若手社員や新人に対して貴重なメンターとなります。彼らの指導やアドバイスによって、若手社員はスキルや知識を習得し、成長することができます。

安定感と信頼性

ベテラン社員は、その経験と落ち着きから、組織内で安定感と信頼性を提供します。彼らは変化や挑戦に対して冷静に対処し、チームや組織全体に安定感をもたらします。また、彼らの信頼性は顧客や取引先にも伝わり、企業の信頼度を高めることにつながります。

 

ベテラン社員の課題と解決策

では、一方で「残念」と言われてしまうベテラン社員にはどんな課題があるのでしょうか。

 

技術的陳腐化とスキルの頭打ち

ベテラン社員が直面する課題の1つは、技術的陳腐化です。長年同じ技術や方法を使ってきた場合、最新の技術やトレンドに追いつくことが難しくなることがあります。また、同じ仕事を続けていると、基本的には「求められるスキル」も大きく変わりません。ですのでその人の持つスキルも一定のところで止まってしまいます。

このような場合、企業は定期的な研修やスキルアッププログラムを提供することで、ベテラン社員の技術力を向上させることが重要です。新しい技術やツールを導入し、彼らが最新のトレンドに適応できるようサポートすることが求められます。

モチベーションの低下

ベテラン社員は長年同じ仕事を続けてきたため、モチベーションが低下することがあります。飽きている、ということもあるでしょうし、会社の評価制度や上層部への不満が中心の「どうせ頑張っても意味がない」という感覚もあるかもしれません。

前者が原因であれば、彼らが新たな刺激や挑戦を求めることが重要です。企業は、彼らの関心や情熱を刺激するために新しいプロジェクトや責任を与えることが有効です。彼らが自分の能力を発揮し、新たな成果を挙げることでモチベーションが高まります。後者であればしっかりと能力、結果が評価される、承認される状態をつくらなければなりません。彼らの意見やアイデアを受け止め、彼らが組織の中で価値を感じることが重要です。

新しいアイデアや視点の導入

ベテラン社員は豊富な経験を持っていますが、時には過去の経験にとらわれて新しいアイデアや視点を取り入れることが難しい場合があります。昔はこうだったから、前に失敗したからやめておこう、、、。ときには「自分は先輩なんだから、自分のやり方が正しい」と押し付けるケースも見受けられます。

しかし、組織が成長し変化する中で、新しいアイデアや視点が必要です。ベテラン社員も常に学び続け、柔軟性を持つことが重要です。企業は、彼らに新しいアイデアを提案する機会を与え、彼らの貢献を評価することで、彼らの意欲を高めることができます。

 

ベテランが「活躍している組織」とは?

では、ベテラン社員が活躍している組織にはどのような特徴があるのでしょうか。

ぜひ貴社にとってのヒントを見つけてほしいと思います。

 

①ベテランの暗黙知が否定されない

ベテランが活躍する組織では、彼らの持つ暗黙知が重要視されます。経験豊富なベテランは、長年の経験や実践から得た知識やノウハウを持っています。このような知識は、書籍や文書には記載されていない場合が多く、組織の中で口伝えや経験によって伝わってきたものです。そのため、ベテランの暗黙知を否定せずに尊重し、彼らの経験を活かすことが重要です。組織全体がベテランの知恵を受け入れ、活用する風土が醸成されています。

ベテランが言葉にできないノウハウを「マニュアルにできないなら意味がない」とするのでなく、「言葉にできないけど価値がある」ことをちゃんと認めることがスタートです。

② ベテランの人脈や経験が価値になっている

ベテランが活躍する組織では、彼らの持つ人脈や経験が大きな価値として認識されています。ベテランは長年のキャリアを通じて多くの人との関係を築き、業界や市場に精通しています。そのため、彼らの人脈や経験を活用することで、組織は新たなビジネスチャンスや機会を見つけることができます。組織全体がベテランのネットワークや経験を活かし、共に成長する意識が浸透しています。

③ ベテランとそうでない社員が、お互いを尊重しあっている

ベテランが活躍する組織では、経験の浅い社員とベテランがお互いを尊重しあっています。経験の浅い社員はベテランから学び、成長する機会を得る一方で、ベテランも若手から新しい視点やアイデアを受け取り、自身の経験に活かすことができます。このようなお互いを尊重し合う文化が根付いている組織では、知識や経験の共有が活発に行われ、組織全体が成長する土壌が整っています。

 

さいごに

いかがでしょうか?

ベテラン社員は、ネガティブな文脈で語られることも多いですが、彼らが活躍できている会社は本当に強いです。

自社のベテランをあきらめない、または将来、強い会社になるために今から意図的に良いベテランがいる会社を創るということをお勧めします。

 

 

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