BtoCの営業、個人向け営業の商談受注率を上げるための基本の3原則をお送りします。
以前は個人宅に訪問し、営業をするということもよくありましたが、ここ最近ではともすると個人営業=迷惑行為のように言われてしまっています。しかし、個人との契約を結ぶ商品がある以上、個人向けの営業スキル強化は避けて通れません。
今回は、そうしたBtoC、個人向け営業をしていき、クレームを受けずに売上を上げていくための3つの原則を紹介します。最低限の、絶対に欠かせないポイントですので、まずは理解したうえで、テクニックを学んでください。
BtoC・個人向け営業のクレーム要因
BtoC・個人向け営業は法人営業とは別の難しさがあります。それはクレーム発生率が高いということです。クレーム発生の大まかなポイントを理解することで、あとに紹介する3原則をどう使うのか意識してください。
それぞれ独立したものではなく、複合的に絡み合うものです。ぜひ意識してください。
感情がでやすい
法人営業の場合、相手は「○○社の代表」という意識を持ちます。ですので、マナーや言葉遣いはそれなりに気を使ってくれます。
しかし個人営業はそうはいかないケースもあります。自宅にいるため、「ちゃんと対応する」という意識も薄くなります。不の感情が生まれている時に営業が訪問すれば、ストレスのはけ口になることもあります。
プライベートスペースに入りこむ必要がある
個人営業では、相手の自宅やマンション内に入ることも多いでしょう。また、場所だけでなく会話も、その人のプライベートに入り込む要素が多くなります。
つまり、お客様は見ず知らずの相手に自分のプライベートを明かす必要が出るのです。自分は信用に値するかどうか、という点を意識する必要があります。
その人の「生活」からお金が発生する
個人営業の場合、商品の代金は相手の「生活」から差し引かれます。余裕のある人もいれば、そうでない人もいます。法人の場合は、決めるのは自分でも「会社のお金」ですから冷静に考えられる方もいますが、「代金=生活費」となると意思決定が鈍ります。
3つの原則
原則1:強引にならぬよう、許可を得ながら引き際を意識して会話する
様々なテクニックを学ぶ前に、営業活動が相手の迷惑になってはいけないという気持ちを持ちましょう。
断られたら次に行く、という精神も重要ですが、強引な営業は会社のブランドを低下させます。悪評がたち、採用も困難、離職も増える、いいことはありません。そうした会社で「だましてでも売る」というやり方に慣れてしまっては、社会的には詐欺集団と同等です。
そうならないためにも、営業活動においては許可を得ながら進めるということを徹底しましょう。
聞いてもいいですか?提案をさせてください。少し商品の話をさせてください。なんでも構いませんので、しっかりと確認をしながら進みましょう。
迷われているのであれば、待つ。または迷われていますが、話を進めさせてください、と許可を得たうえで進めていくことです。
私のこうした意見には「甘い」と仰る方もいます。しかし、この考えを否定する会社が社会的に高い評価を得ているかというとそんなことはありません。相手の背中を押すクロージングと、強引に進めることは別ものです。
そもそも、相手のためになるものを販売している、という心持で臨みましょう。
余談ですが、私も強引な営業を受けることが多々あります。営業講師をしていますから、他社の営業を受けることも勉強になるのでなるべく営業は受けるようにしています。
BtoC、個人向け営業を受けると、ほとんどの場合、息をつく間もなく話を重ねてきます。N○Kの代理店などは、脅すように教育されているのか、マンションの中で大声を出してきました。
もちろん、こうした対応で顧客から好かれるはずがありません。営業は企業の将来を作る仕事、ファンを作る仕事です。一人一人の顧客対応が何よりも重要だと心掛けましょう。
原則2:相手が何に同意できるか考える(Foot in the door(フットインザドア) を活用する)
これはテクニックとしても大事なのですが、「相手が、どんなことだったら受け入れてくれるだろう?」ということを考えることが重要です。これを考えるということは、自分の扱う商品のターゲットのことを真剣に考えるということに繋がります。
これを心理学のテクニックに応用したものが、Foot in the door(フットインザドア)というものです。
相手がドアを開けてくれたら足をいれて締められないようにする、という状態をイメージしてください。もちろん、実際に足を挟み、しつこく話をするとクレームになります。ここでご紹介したいのは心理学上のテクニックです。
これは、容易な行為を行うことに 同意(実行)したならば、その後大変な行為も行う可能性があるというものです。ドアに足をいれ、徐々に広げていくイメージです。
相手が合意しやすい、小さな合意を取り続けることで相手との関係性を構築することが可能です。
例えば、友人から急に「10000円貸してくれ」と言われても、すぐに貸すことはなかなかありませんよね。しかし、「1000円でいいから貸してくれ」と頼まれたら「それくらいなら」と動くかもしれません。
そしてその後、「実は今月ピンチで、もう1000円貸してほしい」と言われたらどうでしょう?多くの方がここで、追加の1000円を出してしまいます。
一度自分は相手にお金を貸しているという事実ができたことで「一貫性の法則」が働きやすくなるのです。
営業では、小さな「いいですよ」という反応がもらえるように会話や商談を組み立てましょう。それが「いいですよといった自分」を作り上げます。
例えば、契約書をもらうまえに、「これは正式な申し込みではないのですが、在庫確保のために申し込み用紙に名前だけいただけませんか?」と伝えてみましょう。そうすると、その後のキャンセルがぐっと減るはずです。
原則3:効果・効能を詳細に説明する
扱っている商品の、細かなスペックで構いませんので、効果や効能を詳細に説明できるようになりましょう。特に食品や薬品、健康器具等の一定のエビデンスがあるものについてはなおさらです。
メリットを示す、というテクニックがあるのですが、それを活かすためにも特徴をしっかりと把握する必要があります。
また、エビデンスを読み込めば一定の専門知識が身につきます。顧客に対してしっかりと対応が可能になります。詳細に説明できることが、営業の信頼を高めてくれることも多くありいます。
なお、エビデンスがないものを、嘘をついたり、偽造したりというのは当然ですが止めましょう。
まとめ
さて、BtoC、個人向け営業の強化ポイントはいかがだったでしょうか。
スキル、というよりも心構えに関する話が中心でしたが、具体的なスキルを学ぶ前にこうした心構えがなければ個人向け営業はクレームの荒になりかねません。
ぜひ顧客と自社にとって良い状態を創るためにも、最低限のマナーのつもりで意識してみてください。
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