最近では、「営業で大切なのは、聞く力である」という言葉は当たり前になってきた
ように思います。
しかし、実際に多くの経営者の方と営業組織や営業力についてお話を伺ったり、
現場の営業の方からお話を伺うと、
「何を聞けば（聞いてこさせれば）いいのかわからない」
「ニーズを聞いても、後から話が変わってくる」
という話をよく聞きます。
そこで、この記事では営業の「聞く力」に関する方法の一つである「SPIN式営業」に
ついてご紹介します。実際の商談でもこの方法で顧客に対する理解を深めつつ、信頼
関係を作り上げていくことが可能です。ぜひ実践してみてください。
SPIN式営業とは？
「SPIN」とは、次の4つの単語の頭文字です。
Situation ： 顧客の置かれている状況を理解する質問
Problem ： 起こっている問題を明らかにし、理解する（認識してもらう）質問
Implication ： その問題がどれだけ重要かを理解する（認識してもらう）質問
Need payoff ： 解決された状態、目指す状態を理解する（認識してもらう）質問
この4つの種類の質問を進めることにより、顧客の置かれている状況が明らかになり、
そこで起こっていることが「問題である」という認識がされ、顧客の「優先順位」が
高くなり（つまり、ニーズができる）、そして一緒にその解決を目指そうというマイ
ンドになっていくのです。
では、具体的にどんなことを聞いていけばよいのでしょうか。
ここは、皆さんが取り扱っている商品・サービスの分野やテーマに応じて変えていく必要があるのですが、例えば「営業研修」を販売したいという場合を想定してみましょう。
SPIN式営業で「営業研修」を販売してみる
では一つ一つ、ステップを見ていきましょう。
Spin：Situation 置かれた状況は？
・営業に関する人員数、売上目標と売上高の差は？
・自社商品を販売するために取っているプロセス
・競合他社、商品、バッティングした時の顧客の反応
・上記を踏まえた、この数年の傾向
・なぜそうしたことが起こっているのか？
こうしたことを確認していきましょう。
これらを聞くことで、相手がいまどのような状況にあるのかが分かります。
sPin：Problem 問題は？
・上記Situationで出てきた情報を「経営者は」どう考えているのか
・上記の結果、誰にどんな影響が出るのか？
このようなことを確認していきましょう。ここでは事実に加えて、相手の考えている事や意見もしっかりと確認していくことが大事になります。
徐々に、「まずいなあ」という認識が出来ていきます。
spIn：Implication 重要性は？
・その状況を放置すると、どのような状態になることが予想されるか
・具体的なロスや棄損した売上はいくらぐらいか
・失注がもし入っていたら、どうなっていただろうか
こうしたことを確認していきましょう。営業研修を売りたいのですから、「失注している」という事実を確認しながら、問題の深刻さを色々な言葉で確認していきます。
spiN：Need payoff 解決状況は？
・上記の問題に対して、これまで何かしてきたのか
・重要な問題なのだから、対処した方がよいと思わないか
・自社サービスであれば、営業研修による解決が可能だがどう思うか？
いきなり営業研修を提案するのではなく、過去うまくいかなかったことを聞いていくことで、外部の力を借りる必要があるということが想像しやすくなります。
提案はあくまでも、確認できた問題に対応する提案にしてください。ここまでのヒアリングが無駄になってしまいます。
SPINを確認すると、どうなるのか
このような手順を減ることにより、顧客の状況がわかり、それが「問題だ」と認識され、
しかも解決しないとまずい、解決方法がある、というように進んでいきます。
顧客の深い理解ができれば、自然と営業である皆さんに対しても信頼が深まりますし、
Need payoffの質問を通じてゴールを営業と顧客で共有しますので、連帯感も生まれます。
まとめ
いかがでしょうか。順をおって確認していくことで、相手との信頼関係を作るSPIN式営業、ぜひ取り入れてみてください。
もちろん、これを活用したからといっても商品が悪ければ売れません。SPIまでうまくいったのに、提案が・・・という場合は商品の見直しも必要かもしれません。
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